暮らしの引き出し
キッチン ー 基本的要素 = 収納

キッチンの三要素である火、水、風(換気)。調理台を兼ねたカウンターに、それらを行動の順に配置して、それにともなう電源やガス管、水に必要な上下水道を、壁面やカウンターの下に配管するのが主な工事です。まずはこの超シンプルな構造を理解してください。それ以外の部分が収納です。

収納は、道具のためにあります。その道具は、使われるのが旨です。どのように使われるのかは、あなたの食生活にかかっています。その食生活はなるべく毎日食べるもの、たとえば、飯、菜、汁が最優先となります。昔の台所のシンプルさはここにあります。食生活の基本もそんなに変わってはいないでしょう。昔なら鍋と釜とやかん、現代なら鍋と炊飯器とやかん、それにフライパンでしょうか? ひとり暮らしならこれが各1あれば乗り切れますね。それに、包丁とまな板、これを基本の道具とします。

現在お使いのキッチンにしまってある調理道具のなかから、毎日使っているものだけを出してみます。次に重宝している道具、応用の利く道具、あまり使わないけれど大切にしているもの、といった優先順に出してみます。収納棚の隅のほうに、じつはどうでもいい道具が眠っていたでしょう?

なぜこのような話をするかといえば、入居の下見や現地見学などの際、キッチンの色や収納ばかりに気をとられて、肝心の空気の流れや配管の状態、コンセントの位置など、快適な使い心地を左右するものに多くの人が関心を示さない傾向にあるからです。棚が回転するとか、スパイスラックが充実しているとか、じつはどうでもいいことなのです。

キッチンの基本的要素を理解して、ご自分の持ちものを把握して、ものごとを単純に考えると、実質的なことに集中して投資できます。まずは快適な設備を手に入れて、次に基本の道具を優先順に良いものに買い替えてゆくことです。これからずっと続く日々のことゆえ、生活とかけ離れたキッチンは悲劇です。長期のヴィジョンを持ちましょう。

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