暮らしの引き出し
魔法の白い布

ベッドの生活をしているのに、ベッドメイキングのことを知らないという人は多いと思います。格式あるホテルに泊るのは、そういうことを知るうえで絶好の機会です。どうしてあんなに何枚ものリネンが必要なのでしょうか。

考えてみれば、たくさんの人が次々に宿泊するホテル、見知らぬ人の寝たベッドに寝るなんて、言葉にすると気持ち悪いと思いますよね。なのにシワひとつない真っ白のリネンが整ったベッドを見て、清潔感を受けることはあっても、前夜に誰が寝たかなんて想像する人はいないでしょう。これぞ白い布の持つ不思議な力です。

では、ベッドにはどのようなものがどのように重なっているのでしょう。

ベッドのフレームには、バネなどでクッション性を持たせたマットレスがついています。この上に、マットレスのバネなどをからだに直接感じさせないよう、緩衝の役目と、湿気を吸収して発散する役目を兼ねたパッドを敷きます。その上にベースシーツ(敷布)を広げて、マットレスとパッドを包むように四辺を折りこみます。その上からカバーシーツ(覆い布)を掛けます。人はその2枚のシーツの間に滑りこんで眠りますから、ずれないように足もとをマットレスの下に折りこみます。

カバーシーツの上にはブランケット(毛布)もしくはデュヴェ(羽毛)を載せます。これらの保温を目的とする動物性の繊維や羽毛は、同じものを何日も使うので、顔や肌に直接触れないよう、先ほどのカバーシーツを胸元で折り返すわけです。さらにその上からスプレッド(掛布)で覆います。枕はすべてピローケース(枕カバー)で覆います。

さあ、これで肌に直接触れたり、目に見える部分はすべて真っ白の布で覆いつくされました。ちなみにシーツやピローケースなどのベッドリネンは、ひと揃いに仕立てられたものを使うのがフォーマルなベッドメイキングです。次号は、家庭の気持ちいいベッドのアレンジのしかたを考えます。

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