食べることをこの世の歓びと感じる季節になりました。海の幸、山の幸、なにもかもが美味しい。ほとんど手間をかけなくとも、見た目にカラフルで味わい深いので、ホームパーティーには絶好の機会です。得意の料理をふるまったあとに、デザートまで自家製だなんて、みんながとても幸せな気持ちになります。
ラ・フランスの色やかたちは芸術的でさえあります。薄くスライスしてパルミジャーノ・チーズを雪のように振りかけただけでもすてきなデザートになりますが、洋梨のポルトを作ってみましょうか。あっけないほど簡単なのに、見た目も味も繊細で、それはそれは感動です。
[材料]
ラ・フランス2個
ポルト酒(ポルトガル産の甘いワイン)
バニラビーンズ1/2本
砂糖大さじ3〜5杯くらい(好みによって増量)
[作り方]
洋梨の枝を残して、上からくるくるとリンゴの皮むきの要領で愛らしい姿を生かします。
水とポルト酒を5:1くらいの比率に薄めて、洋梨がかぶるくらいの分量を水から煮立ててアルコール分をとばします。バニラビーンズを1/2本加えて、洋梨が甘いか甘くないかによって砂糖を加減します。
そこへ洋梨を沈めて煮ます。丸ごと煮たほうが素敵ですが、鍋が浅い場合は半割にして横に寝かせます。
透明感が出るまで煮て、そのまま鍋で冷めるのを待ちます。
常温まで冷めたらガラスのボウルに移してラップをかけて冷蔵庫で冷やします。
さあ、テーブルに出しましょう。コンポートに丸ごと盛ってナイフで切りわけるもよし、皿に半割を伏せて洋梨の絵を描いたようにまっすぐに配して、スープ(煮汁)をかけて召し上がれ。まずは果物のデリケートな味わいを堪能するためにストレートに。シックに。
[極める]
煮汁を煮詰めると、もっと濃厚な味になります。目で見て味わいながらソースの域まで煮詰めてみましょう。時間をかけて極めてゆくと、そのときどきにいろんな使い方が本能的に見えてきます。ちょっと温かさの残るスープに、バニラアイスクリームを沈めたりホイップクリームを浮かべる、あるいは濃厚なソースを散らす、などのアレンジは本格的に見えますが、これは華やかな日の奥の手にとっておきましょう。
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