暮らしの引き出し
6月の過ごし方

2009年6月掲載

本格的な夏がやってくる前に、梅雨冷えという言葉があるように、何日か寒さがぶり返すことがあります。せっかく仕舞ったセーターをまた出して、思わず暖房器具に頼るほどです。この季節は、暑さ、寒さ、温度や湿度の急激な変化にとまどいます。

しとしとと降り続く雨のなか、ひときわ美しく映えるのは紫色の花。紫陽花(あじさい)、そしてアイリスやアヤメ、ほのかに光を放っているかのように錯覚します。そして、その青はほんのひととき輝いて、すぐに褪せてしまう。はかないものだからこそ、少しでも長く留めてその余韻に浸りたくなりますね。

ヨーロッパの人たちは、紫陽花をドライフラワーにしたものを好みます。乾いても花びらが抜け落ちないし、鮮やかさこそ失せますが、碧雲(へきうん)色の花束はアンティークのコサージュのようにとてもシックです。作り方は簡単です。花のついた枝を短く切って、葉を落とし、口の広がったポットに花の広がった部分を載せて、宙ぶらりんの状態にします。そのまま自然乾燥させます。

ギリシャ神話に出てくるイリスは虹の女神、その英語読みがアイリス、アヤメやカキツバタもその仲間です。朝方の、まだ開ききらないうちに花びらを摘んで、ウォッカまたはアルコールに漬けて保存瓶に密封しておきます。冷蔵庫に入れてひと月ほど、花びらが透明になったら、それを取り出して液体のみを化粧水のエッセンスに使います。抜群の保湿効果があります。夏の日焼けを前にして、アイリスがあるのだと実感します。

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