暮らしの引き出し
美を意識するという「心の働き」

自分の持っているものに思いを馳せてみてください。おおかたのものは、時が経つにつれてその精神的な価値は薄れ、ぞんざいに扱われて傷つき、汚れ、たたずまいが荒んでゆきます。移り気な現代の私たちは、いろんなものを雑多に増やして、同じあやまちを繰り返しながら、やがては暮らしそのものが荒んできます。

でもあるとき、あるきっかけで、美しくよみがえらせたものは、あなたが自ら築いた精神的な価値であり、揺るぎないものとなって、そのものに宿ります。美を意識するとは、こういった心の働きです。いったん働くよろこびに目覚めた意識は、周囲の状況に惑わされることなく、疲れることを知りません。肉体とちがって限界というものがない。いいでしょう?

新しい目で周囲を見まわせば、家中のことが気になります。たぶん、すぐにでも片づけたくなることでしょう。片づけるという手段は、たしかに手っ取り早くて、達成感もあって清々しいのですが、一時的なイベントで終わるかもしれません。

はやる心を抑えて、むしろ目の前にあるもの、手に取ってみたもの、その次に気になったもの、その次に……と日々の暮らしのなかで自分が行動するときにかかわるものから、ひとつずつ、よく観察してよみがえらせることを続けていったらどうでしょう。そして、それをもとあった位置にもどすときに、ものの配置やゆがみを直す。繰り返すうちに、それがあたりまえのように身について、やがて習慣になってくる。どんなものでも、あなたのマジック・ハンドにふれたものは、かならず美しくよみがえるというわけです。

次から次へとやっておきたいことがふえて、来年の今ごろは、まったく別世界に住んでいるはずです。

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