ベッドメイキングは、季節によってアレンジするのも楽しみのひとつです。
たとえば、春はカバーシーツと毛布、あるいは薄手のデュヴェだけで軽やかに。
夏はカバーシーツだけにして涼しげなベッドを目指しますが、ときどき朝方冷えこむときがありますので、スローブランケットを用意しておくと万全です。
秋はカバーシーツにふたたび毛布、あるいは薄手のデュヴェで十分でしょう。
冬はカバーシーツにデュヴェ、その上から毛布やスローブランケットを用意して暖かく。
どうです? いちど揃えたものは季節ごとに無駄なく使えるでしょう。日本でシーツといえば敷布に使うものと誤解されていますが、外国ではシーツといえば覆ったり包んだりするもの。文字どおり、カバーシーツのことを指します。このようにすれば、羽毛や羊毛が汚れる原因はほとんどなく、ベッドメイキングのたびにほこりを払う程度で十分です。実際、動物繊維はよほどのことがないかぎり、洗う必要はないのです。足したり引いたり、水枕や湯たんぽを添えて、くふうをこらしつつアットホームの幸せを追求します。
いまや、世界の最上級のサービスはアットホームを目指しているのです。日本では、プライベートな空間よりコマーシャルな空間のほうが上等と考えられがちですが、それは前世紀的価値観ですね。人に驚きを与える空間や演出(エンターテインメント)よりも、リラックスできて細やかな心づかいのこもったもてなし(ホスピタリティ)。サービスという言葉が意味するものも、みせかけよりも本質的なことに変わりつつあります。
そこで問われるのが、私たちひとりひとりのアットホーム観です。誰に見せるものでもないから粗末なもので……控えめならば美徳のうち、けれど過ぎたるは卑屈にも……その逆の発想もしてみましょうか。せめて自分の家にいるときくらいは誰に気兼ねすることなく王様のように、質の良いものに囲まれて、満ち足りて、健やかな歓びに包まれて。
その象徴が眠りの用品の追求です。上質のリネンにくるまれて毎日が気持ちよく眠れるならば、美容も健康も、心の充足も約束されることでしょう。1日8時間、長い目で見れば一生の1/3をベッドで過ごすことを考えると、その恩恵たるや、はかりしれません。
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