暮らしの引き出し
あずきを味わう

風も温(ぬる)み、とろんとした昼下がり、桜餅や草餅が恋しくなる。他国の菓子にはない、あずきのあんの澄んだ甘さと、かすかに残る渋み。とくにおいしいと感じるそのときこそ、からだがいちばんよろこぶ食べ物なのでしょう。

砂糖は和菓子に使う和三盆を使います。甘いものがほしくなったときに少しずついただきますが、食べるごとに、全部を鍋に移して少し砂糖を加えて煮直して、ぜんざいからつぶあんまでの、それぞれの段階の味わいも体験してみるとよいでしょう。一般的には、少しの塩を加えて甘みを引き立てますが、ここでは和三盆だけを使いました。

この季節はまだ、冷たくするとからだを冷やします。常温で召し上がれ。食後のデザートに、ほっとするような甘味をひとくち、うるしの碗に盛っただけで懐石のもてなし。桜茶とともに春を満喫する味わいです。

[材料]

 あずき1袋(250グラムくらい)
 和三盆 180グラム〜200グラムまで
 抹茶 ほんの少しを湯で溶いてとろりと練る

[作り方]

 やかんに湯を沸かします。あずきを水洗いしたら、圧力鍋に豆がかぶるくらいの熱湯を加えて、蓋をしないで強火で煮ます。沸騰したら差し水(3カップ)を加えて、再び沸騰させて、ざるにあけて汁をよく切って、アクを洗い流しましょう。
 鍋にもどし、豆の3倍の水を加えて蓋をして、中火にかけます。シューッと蒸気が出たら弱火で7〜10分間煮て火を止める。ピストンが下りたら蓋を開けます。
 鍋をふたたび弱火にかけて、アクをすくいながら煮ます。豆が完全に柔らかくなってから、砂糖を3回に分けて加えつつ、とろ火で15分ほど煮詰めて出来上がり。火を止めて、あら熱がとれたらガラスやホウロウのボウル(金属やプラスチックの容器は避けて)にあけて、さましてください。半日くらい経つと、芯まで甘みがしみておいしくなります。

 あずきを碗に盛ったら、練った抹茶のソースをほんの少し、とろりとかけて出します。

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