旬のおいしさは、ほろ苦い菜の花。クレヨンの黄緑と黄色で描いたようなかわいい色合いは、熱を通しても、不思議なほどにあざやかさを保っています。菜の花のパスタを作れば、食卓にふわっと春が訪れます。木の芽でもブロッコリでも同じように作ります。
今月は、はまぐりも旬です。はまぐりのスープ(潮汁)を添えれば絶妙な取り合わせです。
菜の花パスタとはまぐりスープ
[材料](2人前)
菜の花 ふたりでひと束。よく水洗いして長さ3cmに切る
イタリア産デュラムセモリナ粉の6分茹での細いパスタ
エキストラバージンオリーブオイル
イタリア産の岩塩
黒胡椒
ひとり2個の大きなはまぐり
日本酒をさかずき1杯
[作り方]
パスタ鍋にイタリア産の岩塩を水から入れて、湯をたっぷりわかします。目安は水1リットルにつき塩10グラム程度。塩は入れすぎると、どんどん麺にしみこんで、しょっぱくて食べられないこともありますが、イタリア産の岩塩とパスタを使うと、不思議なことに多少入れすぎても、パスタがしょっぱくなりすぎることがないのはどういうこと? 目下のところ調査中……よって、イタリア産に固執します。
湯が沸騰したら、パスタを扇状に入れて、先端を手で静かに沈めます。沈んだら木のフォークか菜箸でかきまわします。軽く沸騰するくらいの湯できっちり6分茹で。あと1分で茹で上がり、というときに菜の花を投入します。このとき温度が下がるので、火を強くして軽く沸騰する状態にもどったら、火をもとの強さにもどして最後までキープします。
ゆで上がりをトングで挟んで、一気に大皿に盛ります。すぐにオリーブオイルをたっぷり回しかけたら、黒胡椒を挽いて、トングで挟んで混ぜながらテーブルにドンと。めいめい皿にとって、菜の花をフォークの背でつぶしながら食べます。
スープは簡単ですから、パスタの湯が沸騰したころ、別の小さな鍋で作ります。
砂ぬきしたはまぐりを鍋底に並べて、貝がひたひたにかぶるくらいの水を加えます。弱火でゆっくり温めて、殻がパッカンと開いたら、日本酒をさかずき1杯ほど入れ、またふいてきたら火を止める。出来上がり。はまぐりのだしのみで塩も加えません。春の海のスープですよ。
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