暮らしの引き出し
高床式がいちばん

亜熱帯や温帯気候の家々は、高床式です。天然木を使った昔の日本の民家も床を上げて板を張ってありましたから、それ自体がベッドのフレームのようなものです。床の下を風が通り抜け、その上に敷いた畳はマットレス、そして布団はベッドパッドです。冬は床板と畳の間に紙を挟んだりして、断熱とすきま風を防ぐ知恵があり、夏は畳を片づけて、ひんやりとした床板の上に布団を敷き、さらに寝ゴザ(=い草で織ったマット)などを敷いて、吸湿性や風通しをよくして、むし暑い夏をしのいできました。

現代では木造家屋といえども、床は新建材で密閉されており、い草の畳はまれです。ましてや集合住宅においては、和室と名のつく部屋であっても、畳や布団の生活はどうしても理にかなっていません。つまり、畳や布団を活用するには風通しが不可欠なのです。

ですから、マンションの一室に限らず、今日の住宅では、脚つきのベッドが最も快適です。ベッドといっても、ダブルマットレスや、収納引き出しのついた収納つきベッドなどがありますが、これらは欧米の乾燥した地域では問題ありませんが、日本のように高温多湿の季節のある地域では無理があります。

私たちは寝ている間に大量の汗をかきます。その湿気はマットレスのクッションや、スプリングがゆれるたびに下へ排気されますから、床に直接マットレスを敷いたり、床とマットレスの距離がなかったり、間に障害物があると、湿気はマットレスにこもったまま、接地面に結露し、やがてシミになったり、カビが生えたりします。畳やカーペットの上の布団敷も同じことです。汗や匂いが染みついて、寝室はいやな臭いのする部屋になってしまうでしょう。

健康と快適な眠りのためには、なにはなくとも脚つきのベッドを手に入れましょう。

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