暮らしの引き出し
憧れたって、はじまらない

「私は布団だから、ベッドを買える日まで、麻のカバーシーツやデュヴェの生活はあきらめます」といったお話を聞きます。……あきらめないで。何度もいいますが、人生の1/3はベッドで過ごす時間です。プライオリティは高い。布団でもベッドと同じように考えれば、「いつの日か」じゃなく「いまから」気持ちよく眠れるのに……憧れているうちに、時はどんどん過ぎてゆきますよ。

たとえば敷布団にベッドパッドを重ねて、現在の敷布はそのままベースシーツに使います。その上にカバーシーツを重ねます。布団の代わりにデュヴェを掛けてもいいと思いますが、和布団ならばデュヴェカバーはシングルサイズで間にあうでしょう。掛け布団をすっぽり覆って、枕もピロケースで覆いましょうか。ほら、布団がFUTON BEDになったでしょう? どこがどうちがうのでしょうか。

日本の場合、シーツやカバーは布団の汚れ防止のためです。部分的だったり、ジャストサイズで覆ったり、布というより包装紙のようです。西洋の考えは反対に、シーツやカバーが主役です。いずれもふわりと余裕を持たせてあります。そのほうが新鮮な空気をたっぷりはらんで、見た目にも気持ちよさそうだし、布の豊かさが感じられるからです。

あとは好みによって、寝心地を柔らかくするために、敷き布団の上にレイヤーを敷いたり、マットレスの厚さを調整したり、風通しをよくするために、下にすのこを敷くのもアイデアです。低い台座にFUTON BEDをセットして、あんどんの照明に障子や屏風の組みあわせは、とてもすてきだと思います。

ベッドはこうでなければならないという概念を取り払いましょう。理想の寝心地は、あなたの体型、体調、年齢、労働の種類、睡眠時間、周囲の環境といった、個人的な条件を認識することからはじまります。そしてこれまで話した和と洋のちがいや、基本的な考え方をベースに、理想のベッドを計画してください。そして理想を実践されますように。

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