じつに美味しい日本のトマトソースを作りましょう。トマトソースはイタリアが本場ですから、イタリアントマトを使ったほうが美味しいと思われるでしょう。ところが、日本のトマトで作るソースは、また格別の味です。ここではニンニク、鷹の爪を加えるので、正式にはアラビアータでしょうか。作り方は、簡単すぎてどうしようというくらい。いちばん美味しい食べ方は、茹でたてのペンネを笊にあけて、そのままソースの中へ。からめて皿に盛って食べます。このときは塩を加えなくとも茹で汁の塩分で充分です。ソースは、トーストに塗っても、ピザにも、パスタにも、それから茄子を炒めてソース煮にするとトルコ風です。
[材料]
トマトを半割にしてフライパンにぎっしりになる量
ニンニク 2片
エキストラバージンオリーブオイルを大さじ2杯ほど
鷹の爪 好みによって1〜2本
[作り方]
トマトを洗って塩をまぶします。そのまま10分ほど待って、塩を洗い流して水気を拭き取ります。すべてのトマトを横にして、輪切りのようにまん中にナイフを入れて半分に割ります。ニンニクを縦半分に切って芯の芽をはずします。下ごしらえはこれだけ。
フライパンにエキストラバージンオリーブオイルを大さじ2杯ほど注ぎ、ニンニクを皮ごと入れて、オイルですっぽり覆うようにフライパンを傾けて、とろ火で煮ます。やがて身が透明になり、切り口がきつね色になって、ひとりでに皮が剥がれてきたら、菜箸でそっと皮を取り除きます。
フライパンを平らにもどして、半割のトマトの切り口を伏せるように、フライパンにぎっしり並べます。弱火でゆっくり煮詰めれば、切り口から皮がめくれてきます。しばらく待つと、トマトの汁がぐつぐつと滲み出てきましたよ。途中で一度ひっくり返してまたもとのとおりに伏せます。
トマトのてっぺんを菜箸でつつくと、身が崩れて、皮が薄く剥がれます。それをひとつずつつまみ出して、最後はへたと芯にくっついた身をしごいて取り出します。鷹の爪を入れて、ペースト状になるまで煮詰めて出来上がり。
調理時間は20分程度、あとは好みの濃さまで煮詰めればいいのですが、ポイントは最初から最後まで弱火です。鷹の爪は最後に取り出します。味見をしてみましょうか。トマトの甘みとほろ苦さ、そしてなによりフレッシュな感じがうれしい。
生食用に栽培された、水分の多い日本のトマトも、煮詰めてみれば持ち味が素直に凝縮されて、やさしくとろけそう。世界のどこにもない個性がすてきです。
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