暮らしの引き出し
家庭を守るということ

ひと昔前までは、家庭を守るのは女たちの役目でした。ひとつの家に三代の女が住み、たとえば料理ひとつをとっても、祖母は保存食や豆の煮炊きなど、手間ひまのかかる伝統の味を守り、母は日々のご飯炊きとお菜と汁を三度作ることで栄養の安定供給を引き受けてきました。そして子どもはそれを助けたり、手伝うことで、下ごしらえや後片づけのイロハを習い、忍耐を学ぶのでした。

家伝は絶対の規範で、個の自由よりも結束と分担が重要でした。昔の人は、どれも省くことのできない一連の手順を、儀式のように繰り返しいとなみ、暮らしの軸を見失わぬよう心がけてきました。それほどに、家庭を守るというのは大いなる仕事だったわけです。

いまや核家族となり、すべての人が自由を謳歌する時代がやってきたかのようですが、家庭を守ることの考え方は進歩したのでしょうか? その重荷が家族のだれか、ひとりの肩にのしかかってはいませんか。たったひとりにできることは限りあります。

いつの時代も、食事の後片づけ、掃除、洗濯は家庭を守るために避けて通れない三要素です。だれしもいつかはひとりで暮らすこともあるでしょうし、すべての人ができなければ不自由します。美しく暮らすために、新年は食器をきれいに保つことからスタートしましょうか。毎日毎度の基本ですものね。今日は昨日より少し前進したかな?  と思えたならば、たいしたものです。1年は365日もあるのですから。

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