お雑煮の起源には諸説あって、具もだしも地方によってちがうらしいのですが、今回はおせち作りで使った材料を最後まで使い切るための、文字どおり、ほんとうのお雑煮を作りましょう。朝方たくさん作って日に3度、飽きることのない味です。
[材料](5人分程度)
寝る前に干し椎茸1本を洗って、1リットルの水にひと晩浸す
浸すのを忘れたら、朝起きてすぐぬるま湯に椎茸を浸しておく
もどした椎茸は取り出して1cm角に刻んで具にする
昆布は5cm角くらいを軽く湿らせて、キッチンばさみで5mmの細切りに
するめも5cm角くらいを、キッチンばさみで5mmの細切りに
鶏肉50グラムくらいをさいの目に切る
人参3cmくらいを皮をむいて、縦に十字に切って寝かせて薄く扇に切る
里芋は小芋なら5個、中くらいなら2個を皮むきして7mmの輪切りに
大根2cmくらいを皮をむいて、縦に十字に切って寝かせて薄く扇に切る
酒をさかずき1杯と塩ひとつまみと薄口醤油
小松菜ひとり1茎を4等分くらいに切る
もちはひとり1〜2個
[作り方]
鍋に干し椎茸のだしを移し、小松菜ともち以外の材料を全部入れて、弱火でことこと煮ます。里芋が柔らかくなったら蒸発した分の水を足して、沸騰したら酒(あればお屠蘇)をさかずき1杯入れて、あくをすくって塩と醤油で味を整えます。雑煮の出来上がりです。
もちを焼きます。黄金色に焦げてぷーっとふくれてきたそばから鍋に放りこんで小松菜も入れて、ひと煮立ちさせます。
椀の底から具、もち、小松菜と重ねて、最後に汁を椀に注ぎます。鍋にはもちと小松菜を残さないで。おかわりのたびに、もちを焼いて小松菜もあらたに入れます。
[極める]
このだしはじつに深くデリケートな味わいがあります。もっと洗練させるには、あくをすくった雑煮を布で濾して、透明なスープのみを使います。鍋にもどして塩と醤油で味を整えたら、焼いたもちと小松菜だけの具を入れます。もちは、玄米もち、粟(あわ)もち、あん入りもちなどでも試してみてください。もちの個性にしたがって、塩と醤油を微妙に加減すれば、門外不出の家伝の味となることでしょう。冬の客のもてなしに最高です。
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