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1)報告書を“読み進む”、その前に |
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環境報告書を読む前に……やはり、報告するがわの企業が、“どういったことに注意を払っているか”を知っておいて損はありません。これは事実ですが、それ以上に、私たちも“グリーンコンシュマー”として、同じ問題意識をもっていないと、明るい未来はやってこない……それが、環境問題の根の深さってことは、ご承知ですよね?! というわけで、このコーナーには、環境配慮の基本となっている、いくつかの考え方を随時掲載し、アタマのなかをアップデートしておきたいと思います。 |
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悪者は……カンキョウ・フカ? |
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環境への影響についていわれるとき、しきりに出てくる、“環境負荷”という言葉。文字のとおりなら、環境に負担をかけることだけど、その中身はどういうこと?
■地球からのインプット
地球の資源を使うこと=インプット
……原材料、地下資源(天然鉱物など)、エネルギー資源(電気・ガス・水道・軽油・重油など)の使用
■地球へのアウトプット 地球に排出をすること=アウトプット
……使用ずみ製品の廃棄、工場廃棄物(古紙・廃油・廃水・廃プラスチック・缶など)、汚染物質CO2(二酸化炭素)・NOx(窒素酸化物)・SOx(硫黄酸化物)などの排ガス
地球からの調達(インプット)と地球への排出(アウトプット)、その両方が地球環境を劣化させる=“負荷”となるわけです。そして、この負荷を小さくするためには、使う資源、排出物の両方を抑制すること=さまざまな“循環”が、有効な手だてとなるのです。
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地球からのインプットと、地球へのアウトプット。この2つの環境負荷をできるだけ低減して、社会資源を循環させる“循環型社会”の実現にむけた取り組みが必要になっています。各社、それぞれの業種、業態にそったかたちで、こうした図を掲載していますが、そのなかでもわかりやすかったのが、この図です。
(*株式会社INAXの報告書『Eco Report 2002 INAXの地球環境問題への取り組み』より、許可を取得のうえ、編集部で作図し、掲載しています) |
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消費者は悪くない? |
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製造するところから、運搬、消費された後のリサイクルまで、製品の一生(ライフサイクル)を通して、企業は環境への影響を考えなければいけません。それでは、消費者である私たちは、製品を利用するだけでいいのでしょうか?
■例・1 あなたが飲んでいる、みかんジュース
なにげなく、手にするみかんジュース。原料となるみかんを作るために使われる肥料や水分、もちろん人手もかかります。収穫したみかんをジュースにするために、工場では電気エネルギーが使われ、廃水も出ます(廃水を浄化するにもエネルギーは必要です!)。ジュースを入れるにはアルミ缶が使われ、ジュースを運搬するトラックからはCO2が排出されて、大気を汚染します。飲み終えたアルミ缶をリサイクルするにも、ふたたび電気や水が使われます。
たとえば、みかんジュースの一生(ライフサイクル)ひとつをとっても、これだけの“ストーリー”が存在するのです。そして、企業はそれぞれの段階で、どのような方策を採り、活動をしているのか……そうしたことをできるだけ知ったうえで、どのジュースにするかを決めること、それが、“グリーンコンシュマー”の条件であるはずです。
■例・2 あなたが使っている、パソコン
パソコンを購入するとき、なにを基準にしていますか? 環境に配慮した商品かどうかの判断には、“省エネ設計”が気になるところ。でも、それさえクリアになっていればOK、というわけではないのです。チェックポイントとなるのは、次のような点です。
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使われるプラスチックや金属の量をできるだけ減らして、小型化・軽量化をめざしているか? |
○ |
リサイクルしやすいように、使う素材の数を減らしたり、部品の数を減らしたりしているか? |
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製造時の工場で使う合成化学物質を、できるだけ使わないようにしているか? |
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テレビの“一生”の、それぞれの段階で、いかにメーカーが、環境負荷を減らすべくさまざまな取り組みを行っているかを説明した図です。説明文のなかには耳慣れない“専門用語”も含まれるかもしれませんが、原料から、生産、流通、そして、私たちの家庭での使用、それぞれの段階でいろんな工夫をしているのだな、ということが直感的に理解できますよね?
(*ソニー株式会社のパンフレット『ソニーの環境保全活動のご紹介』より、許可を取得のうえ、編集部で作図し、掲載しています) |
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パソコンや家電製品などの場合、みかんジュースと同様、そのライフサイクルを知ることが重要ですが、そのライフサイクルのほとんどを、私たちのもとで過ごすことになるわけですから、“グリーンコンシュマー”たるもの、購入する商品を選ぶには真剣にならざるをえませんね。
そして、空き缶やペットボトル、家電製品のように、リサイクルの仕組みが存在するなら、その仕組みが期待どおりに機能するかどうかは、私たち消費者が、きちんとその役割を果たすかどうかにかかっていることも、お忘れなく!
つまり、消費者の責任は……重大!ということなのです。
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