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3)2002年春、日本での現状は? |
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対象によって、かたちもかわる環境報告 |
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環境報告書は、誰を読者として設定するかによって、その姿勢も変わります。消費者、地域住民、従業員、取引先、投資家など、企業にとってのステークホルダー=利害関係者はさまざま。消費者は、環境に配慮した商品を作っているかを知りたい。地域住民は、安心して暮らせるように環境保全が行われているかが気になる。さらに株主は、環境リスクを考慮して経営を行っているか、株価に影響する重要ポイントとして確かめたい……。
企業としては、こうした利害関係者を意識しながら、企業活動と環境との関わりについて説明責任(アカウンタビリテイー)をはたさなくてはいけません。それだけではなく、環境活動に対する利害関係者からの要求にこたえること、企業と利害関係者との間のコミュニケーションをはかるといった目的のために、環境報告書が大きな役割をはたすことになります。
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<ちょっとここで、データ編> |
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『環境にやさしい企業行動に関するアンケート調査』 平成12年度/環境省委託・(財)地球・人間環境フォーラム調べ |
◎ |
環境に関する情報公開の目的は?(複数回答可) |
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“情報提供等の社会的な責任” 71.2%
“利害関係者とのコミュニケーションのため” 69.2%
“自社における環境に関する取組のPRのため” 68.8%
“社員等への環境に関する教育のため” 52.1% |
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日本では、いくつぐらいの会社が出しているの? |
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企業ごとの環境パフォーマンスを、どのように情報公開するか。その手法として、パンフレット、ホームページ、有価証券報告書への記載、環境報告書の発行などがあります。このうち、“環境報告書を公開”している企業は430社、“パンフレットの公表”が365社、“ホームページの記載”は607社、“有価証券報告書等に記載”しているのは134社。いずれも、前年度から大きくのびています(『2001年版 環境白書より』)。
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<ちょっとここで、データ編> |
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『環境にやさしい企業行動に関するアンケート調査』 平成12年度/環境省委託・(財)地球・人間環境フォーラム調べ |
◎ |
環境に対するデータや取り組みについて“一般に情報を公開している”企業 |
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上場企業、非上場企業ともに、年々、増加していることがひとめでわかりますね! |
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◎ |
環境情報を公開している企業について、売上高別にみると…… |
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上場企業 |
売上高5千億円~1兆円未満 87.3% 売上高1兆円以上 80.0% |
非上場企業 |
売上高500億円~1000億円未満 29.4%
売上高1000億円以上 29.1% |
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* |
売上高が大きいほどに、情報公開している割合が増えています。社会に対する責任や影響力の大きさに比例していると考えられます。 |
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環境報告書を出している企業が、規模の大きいところに集中しているのは事実。これは、環境報告書を出すためのさまざまなコストにたいして、その効果がはっきりと見えないからでしょう。
それでは、環境パフォーマンスの情報を公開することによって、企業が得られることは? そのひとつが、社会的地位の向上。ときとしては、企業にとってのマイナス情報も公開することで、それを改善しようと努力する姿勢から、企業としての信頼性が高まることもあるんです!
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読みたくなったら、どうすればいいの? |
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現在、出されている環境報告書は、各企業ともに冊子の形態がもっとも多く、同じものをホームページ上でも掲載し、さらにこれをダウンロードできるようにPDF版として用意するというのが主流。
もっとも、あらゆる利害関係者に対する情報を充実させようとすると、ページ数が多くなるジレンマが生まれてしまいます。どの企業も、試行錯誤を重ねながら、内容、ボリュームともに、より良いものをつくろうとしているがゆえの悩みといえるでしょう。もっとも今後は、ポイントをしぼったダイジェスト版との併用が増えていく予感も……。
印刷物として申し込むときには、各会社のホームページから、あるいは電話かファックスで。PDF版をダウンロードするときは、容量が大きい場合が多いので、ご注意を! 基本的に、誰でも無料で読める、つまり、知りたいと思った人に適切に情報は開示されなければならない……という考え方は、大前提ですね! |
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