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 サッカーに多い“ケガ”  肉離れ 


【メカニズム】筋損傷が起こり、その後、損傷部が瘢痕組織に置き換えられる

筋肉の部分断裂は重症
肉離れは、筋の遠心性の収縮(エキセントリック・コンストラクション)の際に生じやすいのです。一度肉離れを起こして、十分回復しないうちに、スポーツに復帰することで再発するケースも多いようです。 肉離れの重症度は、損傷部の部位と大きさによります。筋線維には損傷がなく、筋線維束の間の結合織の損傷である筋肉間損傷の場合は軽症ですが、筋肉内損傷である筋線維の損傷は中等症、部分断裂になると重症です。競技選手では大きな筋断裂は実際にはそれほど多くありませんが、軽症または中等症の肉離れは日常的に多く起こります。ただし、サッカー選手ではわずかな筋線維の損傷でも、とくにハムストリングに起こった場合は、プレーができなくなることが多いのです。


打撲よりも深刻――復帰までに時間がかかる
打撲による筋挫傷との最大のちがいは、治癒までの期間が長いことです。断裂した筋肉は、完全に修復されることはなく、断裂部分が瘢痕(はんこん)組織に置き換えられていきます。この瘢痕組織が安定するまでに1〜2カ月、重症なものでは半年近くかかります。それをいかに早く現場にもどすかが、治療者に求められることなのですが、通常は、非常に軽度な損傷でも治癒までに4週間程度かかり、それよりも早期に復帰させると再発の可能性が高くなります。 MRIで出血も損傷もみられない場合でも、痛みなどの症状がある場合は、注意深く治療していく必要があります。日本テレビフットボールクラブでは、MRI上問題のないものは段階的リハビリテーションをして、1〜2週間で現場にもどしていますが、これはかなりぎりぎりの状況での対応であり、決して安全な方法とはいえません。



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