Digital Camera Basics
【その9】 画像処理を考えて撮影‥‥フィルターを使いこなそう!


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 PLフィルターのススメ

PLフィルターは、偏光フィルターとも呼ばれ、特定の角度からの光をカットするもので、ガラス面などに反射した光を弱めることができます。これを自然撮影で使用すると、青空をより濃い青にしたり、水面の反射を除去したり、植物の葉の反射光を弱くすることができます。




色を、より鮮やかに、くっきりと表現したいなら。


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10:PLフィルターなし 11:PLフィルターを使用

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12:PLフィルターなし 13:PLフィルターを使用

空のカットでは、雲の合間に見える空の青色が、11のほうがより濃くなっているのがわかります。 また、葉のカットでは、PLフィルターが反射を除去し(13)、より鮮やかで深みのある緑色にしてくれています。
これらは、単に露出を変えて暗く見せているわけではありません。露出は一定のままです。反射が消え、明るい部分が減っているので、暗くなったように見えます。このようにPLフィルターは、色をより濃く、鮮やかに表現してくれます。このような理由から、自然を撮る銀塩カメラマンにも人気のあるフィルターです。
これもパソコン上で同じような画像になるように補正すると、階調やカラーバランスを崩す可能性があり、ほとんど影響なく処理するためには、ごくごく細かな作業が必要となります。が、PLフィルターを使用すれば、自分の目で確認しながら、その場で“まちがいのない”調整が可能です。


PLフィルターをじょうずに使う、いくつかのポイント

1)フィルターの回転がポイント
PLフィルターは“2枚重ね”されているフィルターで、使用する際には、その前枠を回転させる必要があります。前枠を回転させて、いちばん反射除去の効果の高い位置で撮影します。この作業を行わないと、単に暗くするだけのフィルターになってしまいます。液晶モニターで効果を確かめながら、前枠をまわして撮影しましょう。

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2)空は順光が効果大
空の青色を、より濃く表現するためにPLフィルターを使用する場合は、順光線の空を狙うと効果がもっとも強くなります。つまり太陽を背にして狙うとよいということです。逆光の空の撮影では、PLフィルターの効果はほとんどありません。

3)強すぎるコントラストに注意
PLフィルターを使用すると、色が鮮やかになってキレイですが、コントラストを上げる効果もあります。シーンによっては、コントラストが強くなりすぎることもありますから、液晶モニターで確認しながら、“適材適所”で使用しましょう。

4)円偏光タイプを使用
偏光フィルターには、2種類のタイプがあります。1つは通常タイプ、もう1つは円偏光タイプです。機種によって必要なタイプは異なりますが、デジタルカメラで使用する場合には、円偏光フィルターを選んでおけば問題はないでしょう。円偏光フィルターは“サーキュラーPLフィルター”とも呼ばれます。写真屋さんなどで、一般的に販売されています。




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