Digital Camera Basics
【その9】 画像処理を考えて撮影‥‥フィルターを使いこなそう!


01
 カラーフィルターのススメ

カラーフィルターを使用すると、どんな効果が得られるのでしょうか? 基本的には、フォトレタッチソフトで行う、カラーバランス処理と同じことです。効果を見てみましょう。




“暮れゆく夏の空”‥‥肉眼で見た色に近づけてみます。


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01

02

03

04

01が、[カラーフィルターなし]、02〜04が、[カラーフィルターあり]で撮影したものです。どれも、夕陽のイメージを強調するために使用してみました。
01は、デジタルカメラのホワイトバランスを[太陽光]にセットして撮影しましたが、実際にはもう少し赤みがありました。そこでフィルターを使用したのです。ここでは効果をわかりやすくするために、少し濃いめのフィルターを使用しています。


フィルターの使用とレタッチソフト、そのちがいは?


カラーフィルターなんて使わなくても、パソコンを使ってカラーバランスを調整すればいい‥‥それも正論です。でも、カラーバランスの補正は、多かれ少なかれ画質に影響を与えてしまい、階調を崩してしまうことがあります。 *詳しくは、第6回[03:レタッチ作業での注意ポイント]で、おさらいしてください。
撮影時にカラーフィルターを使用すれば、色が補正された状態でカメラが記録し、使用するデジタルカメラのもつ階調の再現能力ぎりぎりまで、ちゃんと階調を再現してくれます。



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01 02 05

フィルターなしで撮影したもの(01)を、02のカットとほぼ同じ色調になるように、フォトレタッチソフトで補正してみました(05)。細部をくらべてみましょう。

一見したところ、補正はうまくいっていますし、とくに問題はなさそうに見えます。では、階調がぎりぎりの部分を、クローズアップしてみてみましょう。



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   06:   07:    08:
   01の雲の部分を
   拡大したもの
  02(フィルター使用)の
  同じ部分を拡大したもの
   先ほどの05の同じ
   部分を拡大したもの


photo フィルターなし(06)、フィルターあり(07)、このどちらも、太陽の上の雲の 微妙な階調が、ぎりぎり再現されていますが、レタッチソフトでカラーバランス補 正を行なった08は、もとの06にはあったはずの階調がなくなっています。06と 07は、雲の中にわずかに青空の濃い色がありますが、08ではその濃い部分がほと んどなくなっています。カラーバランス処理が、階調を崩した例といえます。 フィルターを使用して、撮影時にカラーバランスを変えたほうが、こうした事態を 防ぎ、クオリティを保ちやすい、ということがおわかりいただけたでしょうか。


ヒント!
ホワイトバランスはマニュアルモードで使用のこと。

カラーフィルターを使用する際に、1つ注意することがあります。ホワイトバランスをオートに設定したままだと、せっかく色のついたフィルターを使用しても、カメラが自動的に補正してしまい、薄い色のフィルターの場合、効果がなくなってしまうことがあります。 ホワイトバランスは、マニュアルで、その場の光線状態にあった設定にしましょう(第2回参照)。ここでは、Canon PowerShot A50 を使用し、ホワイトバランスは[太陽光]にセットして撮影しています。




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