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08. もっともっと走る!
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長距離走のトレーニング
高橋選手みたいに走りたい! 2001年秋のベルリンマラソン、高橋選手の快走、すごかったですね。世界最高記録は1週間後のシカゴマラソンで、ケニアのキャサリン・ヌデレバ選手に更新されてしまいましたが、女子マラソンではじめて2時間20分を切った走りには、思わず鳥肌がたってしまいました。

高橋選手みたいに走れたら、どんな気持ちになるのでしょうか? きっと、いまの私たちには想像もできない、すばらしい感覚につつまれるのでしょうね。みなさんも、少しでもそんな感覚に近づいてみたいと思いませんか? そのためにはなにをしたらいいのか、今回はそんなトレーニングについて、もう一度ゆっくり走るから、話しをしてみたいと思います。
ゆっくり走るのおさらい 走ることの初心者が、ゆっくり走るのはなぜなのでしょうか? “持久力もないし、走るために必要な筋力もないから”と考えている人は多いのかもしれません。たしかに、それもまちがいではありません。しかし、ゆっくり走ることの最大のメリットは、筋肉に、より多くの血液を供給することと、体内に蓄積された脂肪からエネルギーを生産するシステム(能力)を、効率よく改善することにあるのです。

これらの能力がじゅうぶんに向上していないと、もっと強度の高いトレーニングをおこなうことや、長い距離を走りきることはできません。自信をもって、ゆっくり走るようにしてください。脂肪を効率よくエネルギーにできるわけですから、健康づくりやダイエットが目的の人にとっても、“ゆっくり走る”は最適なトレーニングなのです。

さらに、ゆっくり走るトレーニングをする前と、しているときの水分補給が重要になってきます。脂肪燃焼を妨げないような、果糖を主成分としたスポーツドリンクをじゅうぶんに摂取することは、バテずに、ゆっくりと走りつづけるには、とても大切なことなのです。

また、ゆっくり走るときのフォームについても、少し考えてみたいと思います。ゆっくり走るときのフォームは、自然でリラックスした、リズミカルなものであることが重要なのです。そこで、今回しめしたポイントを参考にしてみて、みなさんにとって、いちばんよいフォームを見つけてみてください。

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ところで、走る速さ、時間、頻度はどれくらいが適当なのでしょうか? 速さは、早歩きよりも少し速いくらいでじゅうぶんです。はじめはもの足りないと思うかもしれませんが、30分くらいつづけていると、しだいに“足が重くなる”“足が棒のようになる”という感じになると思います。そう感じはじめたら、走るのをおわりにしましょう。

これを、1週間に3日くらいを目安にして、1〜2か月つづけると、しだいに30分では足が棒のように感じなくなります。そうしたら、走る速さをあげるのではなく、5〜10分ぐらい走る時間をのばすようにしてみてください。そして、半年で60分くらい走れるように、少しずつ時間をのばしてください。

そのためには、周回コース、目標までの往復コース、緑の多いコース、起伏や階段のあるコースなどいろいろなコースを見つけておき、体調や天候によって、コースを決定して、楽しみながら走ることが必要になってくるのです。

こうして60分、ゆっくり走りつづけられるようになったら、初心者は終了です。これから紹介する、いろいろなトレーニングにチャレンジしてみてください。
(文:塩田 徹)


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