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07. ケガをしないために!
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走ることでおこるケガ
ケガのない、楽しい
スポーツを!
みなさんは、スポーツをしているときに、ケガをしたことはありませんか? せっかくの楽しいスポーツなのに、ケガをしてしまうのはとても残念なことですね。できれば、ケガは避けたいものです。そこで今回は、走ることによっておこるケガに関する話をしたいと思います。走ることによっておこるケガのメカニズムや予防法を知ることで、みなさんのスポーツ活動を、ケガのない、より楽しいものにしていきましょう。
箱根駅伝選手のケガ
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猛暑の夏も過ぎ、スポーツにはうってつけの涼しい季節となってきました。もうすぐ、駅伝やマラソンの大会のシーズンがはじまります。ランニング大会の観戦好きな人にとっても、秋から冬にかけては、走ることの話題が豊富な、楽しい季節といえるでしょう。

さて、駅伝といえば箱根駅伝が有名ですね。この大会は、伝統的な関東の大学主催の大会で、最近は、全区間にわたりテレビで全国放映されますから、箱根駅伝ファンの方も多いのではないでしょうか。それでは、この箱根駅伝をケガの面から振りかえってみましょう。

1995年におこなわれた第71回大会では、順天堂大学の選手が第10区で、そして翌年の第72回大会では、東海大学と山梨学院大学の選手が第4区で、それぞれ脚のケガにより途中棄権しています。

私は、第71回大会で、母校の順天堂大学を、駅伝コーチとともに車で移動しながら応援していました。そして、私は第10区の序盤で、脚の痛みで顔をゆがませながらも、懸命に走っている順天堂大学の選手を目にしたのです。ついに、第10区のなかばで、監督はその選手を棄権させました。監督から、車でその選手を大至急病院へ運ぶよう指示された私は、第10区の残りの距離を、本部車に先導されながら、猛スピードで車を走らせたときのことを、いまでもはっきりと覚えています。いっしょにいた駅伝コーチが、大きな声で棄権した選手に“よく頑張った!”と声をかけても、その選手はしばらくのあいだ泣きつづけるだけだったのです。
(文:水村 信二)


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