header
03. ゆっくり走る
A
“ゆっくり走る”からはじめる
あなたの走る目的は? あなたが走ろうと思った、きっかけや目的はなんですか? 運動不足解消のため? ダイエットのため? 気分転換のため? トレーニングのため? ロードレースやマラソン大会に出場するため? そのきっかけや目的は、人によってさまざまでしょう。しかし、走ろうとしたきっかけや目的がなんであっても、これから走ろうと考えている人には、なによりも、“ゆっくり走る”からはじめることをおすすめします。

たしかに、競技者レベルでは、きつい練習を避けて通ることはできません。けれども、これから走りはじめる人にとっては、まずは走るための基礎づくりが必要なのです。そのためには、“ゆっくり走る”からはじめるべきなのです。
ラクに走りつづけられるペース “ゆっくり”という基準ですが、たとえば、普段の速さで歩いているとしましょう。そして、だんだんと速く歩いていってみてください。やがてある速さに達すると、走ったほうがむしろラクに感じるレベルがあります。そのくらいの速さで走ってみましょう。この速さだと、無理せず長く走りつづけることができるのです。

個人差はありますが、その速さはおおむね、女性で時速6km、男性で時速7kmくらいとなります。私たちが普段歩いている速さは、時速4kmほどですから、その2倍弱くらいの速さで走るとよいということになります。距離1kmあたりの所要時間でいうと7〜8分くらいとなります。これが、ラクに走りつづけられるペースの目安と考えてもらえばよいでしょう。まずは、このゆっくりペースを、身につけてください。
“LSD”で速くなる!
illustration
ゆっくりペースでしかも長い距離を走るトレーニングを、Long Slow Distance(ロング・スロー・ディスタンス)といいます。その頭文字をとって、“LSD”とも呼ばれます。このロング・スロー・ディスタンスを続けていくと、あなたにとってのゆっくりペースは、ちょっとずつ上昇していきます。その結果、いつのまにかあなたは、より長い距離をより速く走れるようになっていく……不思議なことに、“ゆっくり走る”と速くなるのです!
(文:水村 信二)


A B C 03 top