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08 嗜好品と食生活 〜 たばこ・アルコール・カフェイン


#3 そして、アルコール

アルコールは腸から吸収されて、肝臓に運ばれます。大部分のアルコールは肝臓で無毒化されますが、一部のアルコールはそのまま肝臓から全身に運ばれていき、細胞に入っていくため、からだにさまざまな影響をおよぼします。アルコールとうまくつきあうことで、ストレス解消や効果的睡眠につながりますが、飲みすぎないよう、自分の適量を知っておくことが必要です。

アルコールの過剰摂取が、からだにおよぼす影響は?
◎中枢神経のはたらきの低下
脳に到達したアルコールは、中枢神経のはたらきを低下させ、集中力、判断力、平衡感覚、記憶力などの低下が起こります。
illust◎脱水症状
アルコールには利尿作用があるため、排尿の量や回数が増えます。また、体温を上昇させるため、発汗量が増し、体内の水分が不足した状態になります。運動後のビールはおいしいかもしれませんが、水分補給にはならず、かえって不足させることもあるでしょう。

◎肉体疲労の増加
アルコール摂取により、からだが興奮状態となり、心拍数や呼吸数が増加します。興奮状態が続くと、肉体疲労の原因となり、翌日にからだが重く感じたりします。また、アルコール摂取は睡眠を浅くすることも報告されており、このことも肉体疲労の一因となります。

◎肝臓への負担増による運動能力の低下
通常、肝臓は貯蔵していたグリコーゲンをブドウ糖に、脂肪を脂肪酸に変えてエネルギーを作り出しますが、アルコールが体内に入ると、アルコールの分解を最優先させるため、それらのはたらきがほとんど機能しなくなり、とくに長時間の持久的な運動をする場合、大きなマイナス要因となります。

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適量のアルコールで、
プラス効果を得るためには?
適度のアルコールは大脳の新皮質を麻痺させ、これにより、緊張がほぐれてリラックスできます。加えて、ふだんたまっていたストレスを発散することができます。また、食事どきの少量のアルコール摂取は、胃酸の分泌を促進し、食欲を高めるはたらきがあります。

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お酒を飲むうえで、注意しなければならないこと
◎自分の適量を知ること
飲んだ翌日に疲れなど感じた場合、すでに適量を越えて飲んでいたと考えられます。

◎試合前や運動直後は控えましょう
肝臓のコンディションをよくするために、試合前の3日間は、なるべく飲まないほうがよいでしょう。
運動直後は、心拍数や血圧が上がっています。こういうときのアルコール摂取は、高まった血圧をさらに上げ、心臓への負担はかなり厳しいものになります。


◎頻繁に飲む場合、体重コントロールに気をつけること
ビールやお酒は、ほかの栄養素をあまり含まない割にはエネルギーがあるため、体重コントロールが必要な選手や、太りやすい選手は、エネルギー摂取過多にならないよう気をつける必要があります。飲む頻度を少なくしたり、飲んだ日は食事を調節することが望まれます。



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