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08 嗜好品と食生活 〜 たばこ・アルコール・カフェイン


#4 最後はカフェイン

カフェインとは?
カフェインは、植物の葉、幹、種などに存在し、中枢神経を興奮させるはたらきなどがあります。私たちがよく口にするものでは、コーヒー、紅茶、緑茶、ココア、コーラ、栄養ドリンク、風邪薬などに含まれています。

各種飲料のカフェイン含有量
illust graph
*上記の数値はあくまでも目安で、
種類やいれ方によって異なります。

カフェインの作用
◎運動時の持久力強化
カフェインには、体内の脂肪を分解し、エネルギーに変える作用があるため、マラソンのような長時間にわたる運動では持久力を強化するという報告もあります。ただし、そのときだけで持続性はなく、トレーニングで得られた持久力とは異なります。また、日常的に摂取している場合は、カフェインに対する耐性が生じますし、10分以内の強度の高い運動をする場合では、エネルギーとして脂肪はほとんど利用されないので効果はあまりないでしょう。
◎筋肉疲労の回復
カフェインは血液の循環をよくするため、筋肉中の疲労原因となる乳酸がたまりにくく、疲労が回復しやすいといわれています。
◎利尿作用
腎臓では血管が拡張して、生成される尿の量が増えるため、試合前やトレーニング前にカフェインを含む飲料を大量に摂取すると、体内から必要以上に水分が出てしまいます。じゅうぶんな水分補給を忘れないよう注意してください。

カフェインの危険性
覚せい剤やたばこにくらべるとかなり低いのですが、カフェインには依存性があります。1日に600mg以上の多量摂取は、不安性神経症とよく似た症状を示します。不眠、落ち着きのなさ、イライラ、不整脈、情緒不安などです。
カフェインはIOCが規定しているドーピング禁止薬物です。カフェインの制限は尿中1mlあたり15μg(マイクログラム)以内です。試合前の過剰なカフェイン摂取(コーヒー5杯以上に相当)は、検査により陽性になる可能性があるので注意しましょう。

カフェインとうまくつきあうために
カフェインを日常的に摂取していない人の、持久力向上のためのカフェイン摂取量は200〜300mg(コーヒー約2〜3杯)が適当であり、適度な水分摂取によりカフェインの利尿効果もある程度予防することができます。しかし、この効果は、スポーツの価値である質や技術とは無関係に、労せずして得たものであって、競技者本来の運動能力とは異なります。
競技力を高めようとカフェインに頼るのではなく、生活と練習に上手に結びつけましょう。飲むタイミングを配慮し、自分にあった量を摂取することが大切です。



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