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02 トレーニングとサプリメント

#1 サプリメントは、ほんとうに必要なの!?

サプリメントとは?
前回の【01 なぜ、食べるのか?】という疑問に対して理解したところで、今回は、“トレーニングとサプリメント”について考えてみましょう。
サプリメント(supplement)とは、“補足・追加”を意味する言葉であり、一般的に栄養補助食品を意味します。つまり、


食品の一分野であって、薬ではありません。
日本の法律(薬事法)の制限もあって、サプリメントは“効果・効能”をうたうことはできません。
1日3回、食後1錠服用などの“処方”(摂り方)を明記することができません。

サプリメントで競技力が向上すると思っていませんか?
illustスポーツ選手やコーチのみならず、一般人にとっても、なにかその効果が期待されるのならば、普通の食事以外にそれらも使ってみようかなと思うのが心情だと思います。ただし、“あの商品が効くらしいから使ってみよう”“あの選手が使っているから使ってみよう”など、まわりのあいまいなうわさや、広告のキャッチコピーだけを判断の基準にして、サプリメントを用いるべきではないと思います。

サプリメントは、競技力にマイナスにならないようにするため、ほかに方法がないときに摂取するものであって、競技力向上に対する効果は非常にわずかなのです。日常の食事こそが、最も大切なものなのです。

輸入商品には気をつけて……
海外からの並行輸入製品や、海外のサプリメントショップで販売されている海外の製品には、ドーピングの対象となる成分を混ぜ合わせて販売しているものもあります。購入には、気をつけなければなりません。

“日本人の栄養所要量”の改定で、上限値が決められる!
1999年6月28日、厚生省は、5年ぶりに“第六次改定・日本人の栄養所要量”の改定を行いました。今回の改定のトピックスは、日本ではじめて、過剰摂取が健康障害を起こしうる栄養素について上限値を明示したことです。

[上限値を設定された栄養素]
ビタミン類
ビタミンA、B6、D、E、K、ナイアシン、葉酸
ミネラル類
カルシウム、鉄、リン、マグネシウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデン
これらのいくつかのものは、単品のサプリメントとして販売されており、利用している方もおられると思います。必要以上にサプリメントを摂っている人は、上限値を超えているかもしれません。

行政も真剣に考えている
厚生省は、ビタミンなどのサプリメントに対し、“いわゆる栄養補助食品の取り扱いに関する検討会”をつくって動き出しています。
*詳しくは、厚生省のホームページを参照してください。

こんなマーク、見たことありませんか?
mark サプリメントが、“効果・効能”をうたうことができないのに対し、わが国では、保健の効果が医学・栄養学面から科学的に実証され、厚生大臣の許可を受けたものを“特定保健用食品”としています。ただし、この制度が施行されて8年が経過していますが、規制が厳しく許可食品数はわずか153品目です。
最新の情報では、サイリウムを利用した食品も特定保健用食品として、取り扱っています(99年11月現在)。

特定保健用食品の許可内容と許可件数
graph
平成11年7月31日現在 計153品目 
[出典]奥 恒行:特定保険用食品の許可状況を見て、
『栄養学雑誌』57、309〜312(1999)より引用 



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