[環境経済入門]
illustration
r line r
ケーススタディ・レポート
line
第2回 ソニー[社会・環境報告書 2002]
line
line
■グリーン電力証書システム
はじめて耳にする、この言葉。これは、どういう仕組みになっているのでしょうか? “自然エネルギーによって発電された電力の循環付加価値分を導入企業が支払って、グリーン電力証書を受け取ることで、自然エネルギーを購入した、とみなすシステム”とのこと。なんだか、おもしろそうです。

これなら、立地条件に左右されることなく、自然エネルギーを“活用”することができるということ。つまり、“環境付加価値の販売と電気自体の販売を分離することで、電力会社のエリアにかかわらず、最も効率的な風力発電の利用が可能になる”(日本自然エネルギー株式会社ホームページより)というシステム。2001年度は、200万kWh分を購入。これは、750トンのCO2排出削減効果に相当するそうです。

2001年夏にリニューアルした大阪のソニータワーでは、使用する電力は、太陽光発電による電力をのぞいて、すべてこの“グリーン電力証書システム”を利用した風力発電による電力でまかなっています。このような導入例は、日本でははじめてだそう。
 
graph
line

■資源の循環活用
製品のライフサイクルにおける資源の使用を最小化する取り組みのなかでも、購入直後に廃棄されることが多い製品包装材については……“重点的取り組み事項と位置づけ、ソニー地球環境委員会のもとに環境配慮包装全社展開プロジェクトを組織して4R(Reduce:包装材料の削減、Reuse:包装材料の再使用、Recycle:リサイクルされた包装材料の使用、Replace:社会的にリサイクルシステムの整った、環境負荷の少ない包装材料への置き換え)の観点から、発泡スチロールの削減や環境配慮包装の徹底に取り組んでいます”とあります。

具体例としては、紙系包装材のパルプモールドやダンボールクッション、リモネン再生クッションなどの導入によって、発泡スチロールの使用量削減が行われています。また、大型テレビの包装材をできるだけ低減するために、テレビのデザインに沿った六角カートンが導入され、発泡スチロール使用量が大きく削減されたとのことです。
 
photo [FDトリニトロン搭載カラーテレビ]
2002年3月段階で、ほぼすべての日本国内向け大型テレビに、この六角カートンを採用。テレビ1台あたりの発泡スチロール使用量は、379g(1998年)から2001年度で155gへと約60%も削減したことになります。

また、ソニーの国内事業所から排出される古紙を包装材へリサイクルし、包装材として再利用する仕組みを確立したそうです。これなら、あらたに包装用の資源を購入せずにすみますし、資源ゴミとなっていたはずのものが生かされるわけですから、言うことなし! ではないでしょうか。

石油などの枯渇性資源を使わず、生分解できて、最終的には水と二酸化炭素に分解される……! そんな植物原料プラスチックも誕生しています。原料となったのはトウモロコシでんぷん。MDなどの包装材として、すでに商品化され、他の製品へも展開される見通しだそうです。
 
◎“ソニー子ども科学教育プログラム”について
ソニーでは、設立趣意書においても“戦後の日本を復興・発展させるには、これからの時代を担う小・中学生の科学教育が大事”だとして、学校への助成をおこなってきました。これを発展させるかたちで、2001年度からスタートしたのが“ソニー子ども科学教育プログラム”。科学が好きな子どもたちを育てる教育をサポートしていこうというものです。また、“ソニーおもしろ科学実験室”を、“自然現象のおもしろさや不思議さに気付き、ものづくりの楽しさを感じてもらう”ことを目的に、各地の小・中学校で開催。ソニー教育財団から講師を派遣し、ソニー社員や地元の先生のボランティアによって運営されています。

ソニー教育財団ホームページ:http://www.sony-ef.or.jp
line
top このコーナーのトップへ prev back next

NatureNetは 株式会社青木コンセプト事務所 が発行するオンライン・マガジンです
Eyes on the Globe naturelinks Sports Net Market Place バックナンバー Nature Netについて よくあるご質問 サイトマップ トップページ