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04. 巻き貝におきるインポセックス現象……有機スズ類 イボニシやバイガイなどの巻き貝は、交尾をして子孫を増やします。しかし、日本全国で、イボニシなどの巻き貝のメスに、ペニスができてしまうなどの現象(インポセックス)が確認されています。この現象では、同時にメスの生殖器の未発達がともなうため、生殖不能に陥るのです。 国立環境研究所の堀口 敏宏氏の研究によると、これらのインポセックスは、トリブチルスズやトリフェニルスズといった有機スズ化合物が原因であるとされます。これら有機スズ化合物は、船底や魚網などに付着する生物を取りのぞくための塗料として、使われてきたのです。 日本では、1997年、日本塗料工業会が有機スズ化合物を含む塗料の製造を禁止しましたが、欧米では大型船に対する使用の規制はなく、発展途上国では規制措置がまったく取られていないのが現状です。また、日本の中堅規模の造船会社は、古い船の解体をインド、フィリピンなどに依頼しているため、高い濃度の有機スズ化合物が解体現場で検出されたことが報告されています。
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セブ島の船舶解体現場で検出された化学物質 (A、Bは、いずれも汚染源に近い2地点)
[出所]『安全センター情報』1998年8月号 [出典]『環境ホルモンのしくみ』 佐藤 淳・著 日本実業出版社・刊 |