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02. “カネミ油症事件”、おぼえていますか?……PCB類 科学的に安定性が高く、絶縁性にすぐれたPCBは、熱や火にも強く、発電所や変電所で、変電器、コンデンサー、トランスの絶縁油として、また印刷用のインクや機械の潤滑油などに幅広く使用されていました。 米国では1930年ごろから、日本では1960年代から本格的に製造が開始され、一方で、1960年代に入ると世界中でPCBの毒性について取りざたされるようになりました。1968年、日本でも北九州市の業者が製造した米ぬか油にPCBが混入、全身に発疹が出て、手足がしびれる奇病(カネミ油症事件)が発生しています。 PCBの恐ろしい点は、科学的にきわめて安定性が高く、いつまでも分解されないで環境内に残ることです。各国で対策が講じられるられるようになり、日本は1973年以来、許可外の製造、輸入、使用が禁止されています。しかし、分解がむずかしいため、処理されず保管されたままのPCBが大量に存在しているのも事実です。また、過去に環境内に流出したPCBは、ほとんど分解されることなく食物連鎖の構造のなかをめぐっているのです。
PCBの魚介類における検出割合 |
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[出所]環境庁 [出典]『環境ホルモンのしくみ』 佐藤 淳・著 日本実業出版社・刊 |