Think about Endocrine Disrupters!


02 どんなものがあるの? どんな影響があるの?


01. かつての“夢の農薬”……DDT

“夢の農薬”として、世界にはなばなしく登場したDDT。DDTの殺虫効果を発見した科学者は、1948年、ノーベル賞を受賞したほどです。日本でも戦後、シラミ対策として人体に振りかけたりした話は有名でしょう。この傾向を180度転換させたのが、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』です。

彼女は、この書物のなかで、DDTにより野生生物が重大な障害をこうむっていることを指摘したのです。農薬製造会社などから激しく抵抗を受けたりもしましたが、当時のJ・F・ケネディ大統領の後ろ盾もあり、じょじょに、その危険性は世の中に知られるところとなりました。日本では1971年に農薬として使用禁止、1981年になって、すべての製造販売が禁止されるにいたりました。

DDTは、PCBほどではないにしても、残留性が高く、環境内で半減するのに100年もかかります。欧米や日本では禁止されていますが、発展途上国、熱帯地域では、いまだに規制がない国も多いのです。


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化学名:ジクロロジフェニルトリクロロエタン(有機塩素系化合物)
有害性・疑いのある有害性: 奇形、発ガン性、環境ホルモン作用
被害・現状など:・『奪われし未来』から:フロリダ州アポプカ湖のワニの個体数の減少。ペニスの萎縮などによるメス化。五大湖周辺で、奇形やがんの発生率が高くなった。
・日本:近海でとれた魚介類やウミネコから今でもDDT検出
関連サイト:Rachel Carson Homestead (英文)
http://www.rachelcarson.org/
レイチェル・カーソンの生家を環境教育の場として提供。そのプログラムや環境問題のリンク集など


アジア・オセアニアで進むDDT汚染

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*棒グラフの数はDDT検出数、単位はpg/リットル。
同一地域に棒グラフが複数あるのは、複数地点で測定したため。


[出所]愛知大学農学部・田辺 信介教授
[出典]『環境ホルモンのしくみ』 佐藤 淳・著 日本実業出版社・刊


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