Digital Camera Basics
【その3】 雪景色のなかでデジタルカメラを使ってみよう


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 見つけた被写体を格好良く切り撮ろう!

せっかく見つけた被写体も、撮り方次第でおもしろい作品にもつまらない作品にもなります。どのように撮ればよいのでしょうか?

デジタルカメラで撮影しても、“写真は芸術”であることに変わりはなく、“こうでなくてはいけない”といった決まりはありません。自由に撮ればいいのです。ただし、多くの人が見て格好良く見える撮り方のパターンというものは存在します。

初心者の写真にもっとも多く見られるのが、“日の丸構図”と呼ばれる構図で撮られたもので、被写体がいつも画面の中央付近に配置されるものです。もちろん日の丸構図=ダメな写真、というわけではありませんが、いつもこれでは退屈な写真になってしまいます。画面中央でピントを合わせてそのままシャッターを切るとこの日の丸構図になります。

そこで、銀塩写真などでもよく使われる“黄金分割フレーム”に注目です。




黄金分割とは?

黄金分割フレームは、ファインダーや液晶モニタに表示されるわけではなく、自分の目で想像して画面に当てはめます。画面を左右に3等分、上下に3等分した線を描き、さらにその線が交わっている4か所をポイントとします。

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たとえば地平線や水平線など、目立つ横の線をこのフレームの横の線に重ねます。木など目立つ縦の線は、フレームの縦の線に重ねてみます。また、石や落ち葉など小さなものは、フレームの線が交点するポイントに配置します。タテ位置の場合は、このフレームもそのままタテにして利用します。

もちろん、厳密にフレームの線やポイントに重ねる必要はありません。だいたいでいいのです。黄金分割フレームを利用するには、ピントを合わせた後にカメラの向きを変えることが大切になります。シャッターボタンの半押しで指を止めて、フレームに合うようにカメラの向きを変え、シャッターを切る必要があります。しっかりとマスターしておきましょう。
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こんなありがちなシーン。

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A)木の周りだけ雪が溶けていた。 でもこれでは日の丸構図、ただ撮っただけ。

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B)黄金分割フレームを撮りたい部分をに重ねてみる。 若干奥行きも出て、スマートに見えるようになったでしょ?


■例1


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山の稜線が画面の真ん中。画面を2分割してなんだか散漫な感じ。
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青空なら空を多めにして黄金分割フレームにはめてみる。構成がスッキリする。
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曇った白い空はあまり入れたくないもの。曇った日や、手前の地面を活かしたい場合は、稜線をフレームの上の線に重ねてみるとよい。


■例2


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タテ位置での撮影でもヨコ位置と同じ。黄金分割フレームもタテにして当てはめてみよう。


■例3

■例4


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雪の上に松ぼっくりを見つけた。でも、ピントを合わせてそのままでは日の丸構図でなんだか退屈な画面。
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黄金分割フレームの線の交差するポイントに配置すると収まりが良くなる。ここでは奥にもう一つ入れて、それもポイントにほぼ重なるように配置しています。
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複合的な例。ウサギの足跡をフレームの縦の線に重ね、岩を線の交わるポイントに配置。シンプルな画面だけど、収まりはいい。




もう一つ大切なものが、“アングル”。

もう一つ、大切なものにアングルがあります。まったく同じ被写体であっても、見る方向によって形そのもの、背景が大きく変わってきます。いつも自分の目の高さでカメラを構えるだけでなく、構図を考えながらも、背景などを考慮しながら、よりよいアングルで探して撮影しましょう。服の汚れなんて気にしていられません!


■例5


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雪の面に枯れた落ち葉を発見。構図は黄金分割を使用したけど、なんだかつまらない。 行く手にクロスカントリースキーの跡があったので撮ってみた。これもこのままではちょっとつまらない。 そこで、アングルを地面すれすれにして両方をまとめて撮ってみる。ね、サマになるでしょ?


■例6

■例7


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どちらも雪の積もった同じ岩。見るアングルを変えると、形そのものも一緒に写る背景も変わってくる。被写体を見つけたら一回りして一番自分の好きなアングルを見つけましょう。 ズームレンズを搭載している場合はレンズを広角側にして、ぐっとローアングルに構えると、このように背景も納めることができる。近距離のものを撮るならマクロ撮影モードに切り換えて撮りましょう。




同じ被写体でも、撮り方でずいぶんとちがった写真に仕上がることがおわかりいただけたと思います。撮り方に迷ったら、“黄金分割フレーム”をまず試して、“アングル”を変えながらいろいろと試してみることです。慣れてきたら、自分なりの撮り方を開拓すること。表現に“決まり”はありません。




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