見て学ぶ・ふれて考える 〜 行ってきました、社会見学!
第1回Honda「ハローウッズ」 第2回「都心の水辺でエコツアー」 第3回「筑波宇宙センター」 第4回「首都圏外郭放水路」 第5回「富士山・青木ヶ原樹海」 第6回「いわき市アンモナイトセンター」 第7回「江戸東京たてもの園」 第8回「三鷹市 星と森と絵本の家」
第7回 木立の中にある「むかし」へのエントランス〜「江戸東京たてもの園」〜
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山の手エリアにも脚を伸ばします

さあ、次は「山手通り」へ。古民家ゾーンとはがらりと風景が変わり、ハイカラな近代住宅が続いています。オランダの住宅デザインを取り入れたという瀟洒な「小出家」に感激し、大きなシャンデリアが輝き、蔵も備えた大邸宅「三井家」の迫力に圧倒されました。

ご婦人たちの目がひときわ輝くのが、大正時代に建てられた洋館「田園調布の家(大川家)」です。居間では白い木枠の窓によりそい、うっとり物思いにふける女性見学客の姿がありました。たしかに、現在ではこれほど情緒と陰影のある家というと、なかなかお目にかかれません。

そして、建築に興味がある人の心を捉えて離さないのが「前川國男邸」です。近代建築の発展に多大な貢献をした建築家、前川氏が昭和17年、品川に建てた自邸です。有名建築家の自邸を見学したくても、外観を眺めることがせいぜいで、このように内部に立ち入ることができる機会は滅多にありません。なので、とくに建築を学んでいる学生さんには夢のような場所だとか。この日、前川邸でボランティアとして解説をしていた方も建築家でした。「尊敬する前川氏の自邸で過ごせるなんて、こんな幸運なことはない。このまま住みたいくらいですね」。

吹き抜けまで続く格子窓から、昼下がりの冬の光がやわらかく降り注いでいます。設計について専門的なことはわからなくても、その空間にいるだけで居心地の良さ、洗練された美しさが体感でき、立ち去りがたいのでした。

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三井八郎右衛門邸「三井八郎右衛門邸」2階仏間前廊下にあるこのシャンデリア、もとは第一国立銀行に飾られていたとか。

前川國男邸ダイナミックな切り妻の大屋根が印象的な「前川國男邸」。戦時中の資材不足、法律など数々の制限の中で建てられたとか。たてもの園の中でも大人気の家のひとつ。

吹き抜けの居間「前川國男邸」の吹き抜けの居間。名建築のなかでゆっくり過ごすことができるなんて贅沢です。

小出邸建築家「堀口捨己」設計による個人宅「小出邸」は大正14年建設。オランダの住宅デザインの影響が見られるモダンな家屋です。

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