![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ぼくらのまわりでは、地元の小学生らしき子供たちが次々と貝殻の化石を見つけていました。しかし、うちの娘は、垂直に切り立った岩壁にタガネを打つことに疲れたのか、途中から方針変更、ひたすら地面ばかり掘っていました。 ぼくは固い岩盤と軟らかい土が織りなすミルフィーユのような層に狙いをつけて、幅50cmくらいに渡って崩してみましたが、なにも発見できず。「化石らしき物体を見つけても落ち着いて、化石を壊さないように周囲からジワジワ崩していこう」なんて脳内イメージトレーニングは空振り三振。時間ばかりがどんどん過ぎていきます。 やがて、娘がついに化石を見つけたらしく、背後から「やったねー!」という妻の声が聞こえてきました。どれどれ、と差し出した掌をのぞきこんでみると、それは小さな小さな二枚貝の化石。キララガイでしょうか。それともタマキガイかな。娘は得意そうに満面の笑みを浮かべていました。よかった、よかった。 結局、ぼくの獲物も小さな貝殻だけで、タイムオーバー。すぐ隣で誰よりも本格的な格好(ツナギの作業着)をして、誰よりも本格的なスピードとパワーで岩盤を削り取っていた40代の男性は、足下にゴロゴロ落ちた岩や土の塊を、ビニール袋4つに分けて運んでいました。 「そんなにいっぱい、どうするんですか?」とツナギさんにたずねてみたら、「じっくり見ている時間はないから、ここでは削り取って集めるだけ。あとは持って帰って、細かく調べていくんだよ」なんて言いながらニヤリ。あとでスタッフに聞いたところによると、彼はサメの歯の収集家で、ほぼ毎週のように発掘に参加。サメの歯以外の化石や残土はアンモナイトセンターに返しているそうです。 ![]() |
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