![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 玄関ホールに入って、まず目に飛びこんできたのは、アンモナイトの巨大オブジェ。娘はすかさず「イカのヤドカリみたい」とつぶやいていました。貝殻からニョロニョロ足と顔を出した姿は、そういえばたしかにイカヤドカリ、あるいはヤドカリイカか。 展示資料によると、アンモナイトはオウムガイから分かれて進化し、約4億万年前(いわき市では約8900万年前)から約6500万年前にかけて生息。オウムガイが生き残ったのにアンモナイトが滅びてしまったのは、産卵場所の浅い海で、なんらかの自然変異に巻きこまれたからと推測されています。 独特のクルクル模様のせいで巻き貝のようなイメージがありますが、じつは娘の直感が正しく、イカやタコに近い軟体動物。殻が薄いため、太古の魚類や甲殻類はアンモナイトを殻ごとバリバリ食べていたとも言われています。 これまで世界中で発見されたアンモナイトの化石は1万種以上。いわき産のアンモナイトだけでも、ネオキマトセラス、ダメシテス、ペロニセラス、メソプゾシア、ゴードリセラス、アナゴードリセラス、スカファイテス、ユーボストリコセラス……などなど20種以上あります。早口言葉のような学名ばかりなので、なかなかおぼえられませんが。 さて、体験発掘の時間がやってきました。まずは研修室で、いわきの地層や化石に関するレクチャーを受講。このあたりにある玉山層、笠松層、足沢層は合わせて双葉層群と呼ばれ、アンモナイトセンターの発掘場は足沢層に含まれるそうです。 双葉層群は、かつて海の中における“潮だまり”や“谷”のような場所だったことから、これほどの化石の宝庫となったようです。海流に流されてきた貝殻や海洋生物の亡骸などが、少しずつ雪のように降り積もっていくようなイメージでしょうか。 レクチャーでは、約8500万年前に絶滅したフタバスズキリュウの化石が、1968年に大久町板木沢で発見されたことについてもふれていました。全長約7mという首長竜の化石を見つけたのは、当時、地元の高校生だった鈴木直さん。それゆえ日本ではじめて発見された首長竜は、フタバスズキリュウと名づけられ、その後、2006年には新種の海竜「学名フタバサウルス・スズキィ」として登録されました。その鈴木さんはいま、アンモナイトセンターで主任研究員を務められています。 ![]() |
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