![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ビデオを見終わると、外郭放水路のシステムを再現した模型のコーナーへ。じっさい水を使いながら実演してくれるので、溢れた水を地下に取りこむ、水を地下空間に溜める、そして貯まった水を吐き出す、この見事なリレーが一目瞭然です。 水質の劣化を考えると3日以内に川にもどす必要があるため、迅速な処理が要求されるのですが、驚いたのがその排水量です。なんと毎秒25mプールひとつ分! 国内最大クラスのこの排水量の偉業を成し遂げるのが、パワフルなポンプ設備。溜まった水を排水樋管に送りこむための水流は、高速回転するインペラ(羽根車)によって作るのですが、その動力源となっているのが、飛行機のエンジン用に開発された「ガスターピン」の改造バージョン。プロペラの代わりにポンプを強力に回します。 「従来のものより格段に威力があるのに、コンパクトになり、騒音、振動ともに大幅に軽減したんですよ」と鬼頭さん。なるほど、放水路の「心臓部」という表現がふさわしい重厚な存在感が、模型からも伝わってくるようです。模型をみながらじっくり予習していると、これから見学する調圧水槽への期待がますます高まってきました! さて、ここインフォメーションフロアとガラス一枚隔てているのが、放水路の「頭脳」である操作室です。大型のスクリーンやモニターが並び、デスクにはコンピューター。衛星から寄せられる気象情報や地底内部の水流の状態などの情報をもとに、作動の体制を監視し、コントロールします。梅雨や台風が多い時期には、迅速に対応できるよう、スタッフは施設内で寝泊まりしながら24時間体制で臨んでいるそうです。鬼頭さん自身、深夜に呼び出しの電話がかかり、家族を起こさないようにそっと家を抜け出し、車で駆けつけることもしばしばだとか。いやはや、ほんとうにご苦労さまです。 ところでこの操作室、どこかで見たことがあるなあと気づいたひともいるのでは。そう、ウルトラマンや仮面ライダー、ゴレンジャーなど、テレビ撮影の場面としてよく登場しているそうです(ただし見学は、精密機械の保護のためにガラス越しになります)。 ![]() |
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