見て学ぶ・ふれて考える 〜 行ってきました、社会見学!
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第3回 宇宙の入り口は、ツクバにある〜宇宙航空研究開発機構「筑波宇宙センター」
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日本人宇宙飛行士8名が生まれた場所

続いて訪れたのは、宇宙飛行士養成棟。玄関ロビーに入ると、本物の宇宙服をまとった人形が置かれていました。大きいなあ、いかにも重そうだなあ……そんな参加者たちの思いを察したのか、

「宇宙服だけで、だいたい120kgほどになります」

と、すかさず宍戸さんが教えてくれます。戦国時代の武士の鎧兜一式は100kg以上だったといいますが、宇宙服の場合は、地球上で120kgもあるのに、宇宙の無重力空間へ行くとほぼ0kgになってしまうところがおもしろいですね。

宇宙服の胸のあたりにある計器類の表示は、すべて逆さ文字になっていました。ヘルメットを着用していると、顎をひいても自分では胸のあたりが見えないので、手鏡を使って読み取れるように作られているそうです。

この養成棟は、宇宙飛行士をめざす人たちが訓練を積む、いわば『虎の穴』。室内に立ち入ることはできませんでしたが、窓の外から眺めた前庭機能研究設備ルームには、水平回転負荷装置、傾斜回転負荷装置、直線加速度負荷装置などが、スポーツクラブのマシンのごとく並んでいました。イスに座るとぐるぐる回されるのが水平回転負荷装置、座ったイスがジェットコースターのように一気に飛び出すのが直線加速度負荷装置で、これらはすべて「宇宙酔い」を試すためのマシンとか。

このほかに閉鎖環境適応訓練を行う設備もありました。国際宇宙ステーションのような狭い空間でずっと共同生活をしているとストレスがたまるので、あらかじめ閉鎖的な空間で、単調な作業を飽きずに繰り返すことに慣れておくわけです。

隣りの棟に移動すると、そこは無重量環境試験棟。疑似的な宇宙空間となる大きなプールに、船外活動で用いる実験装置の模型を沈め、ウェットスーツではなく宇宙服を着用した飛行士が水中に潜ります。

「宇宙服を着ていると浮いてしまうので、訓練中の飛行士は重りをつけて、さらに補助のダイバーたちにも手伝ってもらいながら潜るんですよ」。

水中では管制室と英語でコミュニケーションしながら、実験装置を操作。宇宙空間で予定している実験がスムースに行われるように、何度も訓練を行うそうです。

これにて施設案内ツアーの全プログラムは終了。スタート地点の広報情報棟E-2へ戻ったら、そこで解散となります。ぼくは受付の隣にあるショップへ入り、宇宙日本食として2007年に開発されたばかりの「スペースカレー」をお土産に買いました。

宇宙では味覚が薄れるため、また、無重力空間でも飛び散らずに食べられるように、一般的なカレーよりもスパイシーで粘度の高いのが特徴。いわゆるレトルトカレーなので家庭では熱湯で温めますが、国際宇宙ステーション内には、お湯を使わずに加熱できる装置があるそうです。

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宇宙服の構造宇宙服の構造は14層になっており、1着あたりの値段は12億円といわれています。

水平回転負荷装置このイスに座ってぐるぐると…想像しただけで目眩がしてしまう水平回転負荷装置。

プールバーチャルな無重力空間として訓練に使われるプールは直径約16m、深さ約11mというスケール。

オリジナルグッズ スペースカレー、スペースマンボールペン、スペースクッキーが、オリジナルグッズの人気ベスト3!

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