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どっこい、川は生きている!〜都心の水辺でエコツアー
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息を吹きかえした神田川

「ゴミといえば、神田川の汚れや浮遊物は、以前にくらべるとずっと減ったんですよ」。ゴミ問題で沈みかけた気分を中林さんの明るい声が引き上げました。たしかに、想像していたほど汚れている印象はありません。目を凝らせば鯉か鮒か、優雅に泳ぐ姿もみえ、かるがもが水面で揺れ、塀の上ではカワウやコサギがのんびり羽を休めています。運が良ければ蟹や甲羅干し中の亀とも会えるとか!

「神田川は、高度成長期を迎えた1960年代後半、工場や住宅の排水垂れ流し状態の結果、足立区の綾瀬川につぐ日本でワースト2位の河川だったんですよ。そのころは、鼻をつまんでいないと耐えられないほどひどい臭いを発しており、とても魚が生息できる環境ではありませんでした」。

そういうと中林さん、アクリルの細長い容器で川の水をすくいとりました。「透明度を測る透視度計です。上からのぞいてみてください」。どれどれと見てみると、全長50cmの容器の底に描かれた黒と白の目印がはっきり認識できる、ということは透明度は50cm以上。実際の透明度はなんと2mもあるそうです!

「1964年に整備された落合水再生センター(旧落合下水処理場)ができるまでは、下水は直接川に流されていたんですよ。あの古いビルを見て下さい。窓がありませんよね。高度成長期に建てられた両側のビルは、ドブ川と化した神田川の臭いをきらい、そろって川に背を向けているんです。でもほら、あそこの新しいビル、窓が川側に向って開いているでしょう」。

広々としたベランダに大きな窓。川からの風を通し、川面で遊ぶ水鳥を眺めるには絶好のロケーションです。「ここ数年、川沿いにテラスのあるレストランもオープンしはじめました。94年には鮎の遡上が確認されて、それはそれはたいへんな騒ぎになったんですよ」。

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透明度のチェック測定用の容器に川の水を採取して透明度のチェック。意外と澄んでいます。

鯉や鮒鯉や鮒が悠々と泳いでいました。現在、神田川で生息が確認されている魚は約20種とか。

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