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10. 生活習慣病と走ること
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歩くことからはじめよう
ウォーキングとは? ウォーキング(Walking)とは、一般的に60〜120m/分のスピードで歩いていて、どちらかの足がかならず地面に着いている運動のことをいいます。

ウォーキングは、全身を使ったリズミカルな有酸素運動で、いつでも、どこでも、ひとりでおこなうことができて、自分にあったペースで運動をつづけられるという利点があります。したがって、体力のない人や運動する時間のない人にとっては、ごく身近に絶好の運動のチャンスが転がっていることになるのです。

1日10,000歩、時間にして合計1時間程度のウォーキングを目標にしてみましょう! なぜなら、速歩で1日10,000歩を歩けば、おおよそ300キロカロリーを消費することができて、これがちょうど日本人の1日の平均余剰カロリーに相当するからなのです。現代のサラリーマンやOLは、1日平均5,000〜6,000歩を歩くといわれています(波多野ら、1987)。それにプラスして、“車に乗らないで電車を利用する”“エレベーターやエスカレーターを使わないで階段を利用する”などの習慣を身につければ、1日10,000歩の目標を達成することはそんなにむずかしいことではありません。
エクササイズウォーキング ウォーキングが毎日の生活のなかで習慣的になってきた人におすすめしたいのが、この“エクササイズウォーキング”なのです。

このウォーキングのポイントは、日常の歩き方に少し気をつけて、腕を前後に大きく振ることで歩幅を伸ばして、サッサッとリズミカルに歩けばよいということだけなのです。歩幅を広げて歩くことによって、日常の歩き方(60〜80m/分)ではあまり使われない股関節まわりの筋肉が活発に動くので、脚や腰の筋力が向上するといった効果も期待できます(水村、2000)。個人差はありますが、100m/分のスピードがひとつの目安となるでしょう。

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こんなにある、
ウォーキングの効果!
このように、ふだんの生活のなかには、ウォーキングのチャンスはいくらでもあるのです。速く歩くことを心がけてウォーキングを実践すれば、意外なほど、簡単に多くの効果が期待できます。

具体的には、“心肺機能の向上”“肥満の防止”“高血圧・動脈硬化の予防”“糖尿病の予防”“骨の強化”“脳の活性化”“ストレスの解消”など、さまざまです。このように、ウォーキングの実践は、主要な生活習慣病の予防に効果があるのです。
(文:杉浦 雄策)


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