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10. 生活習慣病と走ること
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生活習慣病とは?
成人病から生活習慣病へ “生活習慣病”とは、1957年から使われてきた“成人病”にかわる名称として、1996年に厚生省(現厚生労働省)が導入した、あたらしい考え方による疾病の総称です。

これまで成人病という用語は、“がん”“心臓病”“脳卒中”など、40歳前後から増加する病気をまとめてあらわす言葉として使われてきました。そして、その予防対策は早期発見・早期治療によっておこなわれていたのです。しかし、言葉のニュアンスから、歳をとると、だれにでもおこり得る成人の疾患という印象があった成人病ですが、しだいに、発症や進行の原因が、生活習慣に深く関係していることが明らかになり、子供や青年にもその発症が見られるようになってきたのです。こうした背景から、成人病が生活習慣病という用語にあらためられ、“病気を早期発見・早期治療だけで予防するのではなく、生活習慣を変えることで予防する”という現在の考え方にいたっているのです。
生活習慣病を予防する 生活習慣病の定義は、“食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群”とされています。また、生活習慣病の特徴は、“大人の慢性病は、ある日突然病気になるのではなく、若いころからの日常生活のあり方や、よくない習慣を繰りかえすことで、病気の根がだんだん広がっていき、ある年齢に達すると症状がでてくることが多い”(日野原、1977)という点にあるといわれています。

ところで、生活習慣病は、一般的に運動不足の人に発症しやすい傾向が顕著にみられます。世のなかが便利になるにしたがって、からだを動かす機会が自然と減り、それにくわえて食生活が豊かになったことでカロリーオーバーになり、多くの人が“生活習慣病予備軍”となっています。

生活習慣病を予防するためには、バランスのとれた食事を心がけながら、なにはともあれ、適度な運動を継続し、運動不足にならないことが必要になってくるのです。

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(文:杉浦 雄策)


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