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01. ラン、走ります!
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走るって、スポーツの基本
走ることとスポーツの関係 100mを全力で走る、マラソンを走る、サッカーやバスケットボールでドリブルをしながら走る、野球で盗塁するために走る、健康のために走る……また、水泳やスキーのように、その種目そのものに走る動作がふくまれていない場合でも、そのトレーニングには、たいてい走るメニューがふくまれています。このように、すべてのスポーツに走る動作がふくまれているといってもよいでしょう。つまり、走ることの基本知識や基本技術を身につければ、どんなスポーツをおこなうにしても、それをいかすことができるのです。まさに、走ることはスポーツの基本なのです。
陸上選手の走り方 その一方で、スポーツによって少しずつ走り方がことなるのも事実です。たとえば、陸上競技のトラック選手は、決められた距離をいかに速く走るかを競うわけですから、速く走るための理想の走り方を追求していきます。その結果、一流選手のフォームは無駄な動きの少ない、合理的で美しい動きになっていきます。とはいえ、陸上競技の一流選手の走りをまねれば、どんなスポーツでも通用するかというと、そうはいかないことは、みなさんもご承知のとおりです。
いろいろなスポーツの走り方 サッカーやラグビーなどのコンタクトスポーツの選手は、いくら速くてもまっすぐ走るだけでは通用しません。オフェンスの選手では、相手をかわすために、進行方向や速さを急に変えることによって、フェイントをかけながら走る必要があります。ディフェンスの選手なら、相手の不規則な動きを予測しながら走らなければなりません。そればかりでなく、走りながらボールをコントロールしなければならないのです。このことから、陸上競技の走りの技術とくらべると、必要とされる要素は、ずいぶんと異なったものになってくるのです。

このほかのスポーツにも特徴的な走りはたくさんありますが、あらゆるスポーツ共通の基本的な部分と、少しずつちがう応用的な部分とを意識しながら走ることを学んでみると、なんのスポーツをするにせよ、もっと強く、もっと上手く、そしてなによりも、もっと楽しくなるにちがいないのです。
(文:水村 信二)


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