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8 陸上・長距離選手のための栄養学(その1)
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新春恒例の『箱根駅伝』
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寒くなるにつれて、しだいに盛りあがってくるスポーツといえば、“マラソン”“駅伝”などの、陸上の長距離種目。

とくに、大学対抗で、10人もの選手が往路・復路でタスキを引きつぐ『箱根駅伝』は、新しい年をむかえる私たちに、スポーツの楽しさ、すばらしさを教えてくれます。

今回と次回は、私がチームドクターを引きうけて5年目になろうとしている帝京大学陸上部にスポットをあてながら、陸上の長距離選手のための栄養学を考えていきましょう。


帝京大学陸上部は、2000年(76回大会)にはじめて4位になり、シード権を獲得、2001年の77回大会に出場することが決定しています。しかし、1999年(75回大会)・1998年(74回大会)は本選に出場するものの、最下位をあらそうレベル。それ以前は、箱根駅伝にさえ出場したことのない、無名の大学だったのです。

その陸上部の喜多 秀喜監督と私の出会いは、まったくの偶然でした。当時、神戸製鋼陸上部監督から、陸上では無名の帝京大学監督に転身した彼は、はじめての関東での生活にどまどいを感じていました。それは、大学の場所もよくわからず、家族そろっての引っこしも、自宅をどこにかまえてよいのかもわからない、彼にとって大きな人生の賭けといってもいいものだったのです。

事実、彼は大学の給料から(けっして高くないそうですが……)、家賃・交通費・家族構成などを考えて自宅を捜しだしたところ、学校のある高幡不動とは、はるかに離れた郊外へと出ていってしまい、最終的に、なんと山梨県の都留市に新居をかまえることになってしまっていたのです。
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ミニ栄養学講座・22
陸上の長距離

“人間の3つのエンジン”でいうと、陸上の長距離は、有酸素エンジンを使うスポーツ。筋肉の最大パワーよりも、持続力がそのパフォーマンスに影響してくる種目なのだ!
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