Header
07 試合当日と試合後の食事


#4 試合後の食事

試合が終わって、心身ともにクタクタ。勝敗次第で食欲もおおいに変わってくるところでしょうが、ここでは疲労回復に役立つ食べ方をご紹介します。

疲労の正体とは?
疲労を分析すると下記のようになります。
1) エネルギー源(とくにグリコーゲン)の枯渇
“もう一息!”、最後のふんばりに利用するエネルギー源は、筋肉や肝臓のグリコーゲンです。これらが不足してくると、運動を続けられません。

2)

疲労物質(乳酸)の蓄積
ラストスパートなどで無酸素的にエネルギーを産生すると、疲労物質である乳酸も生成されます。乳酸は、いずれエネルギー源として消費されるのですが、運動中は蓄積されます。

3)

体液性状の変化
運動中に生成した乳酸は血液に流れこみ、血液性状(水素イオン濃度の上昇:pHの低下)に影響します。すると血液中の重炭酸イオン(HCO3-)が緩衝剤となってこれと反応し、炭酸ガス(CO2)を発生させます。
運動していて呼吸があらくなるのは、このような変化も一因とされています。また、呼吸数や発汗量の増加は体水分を喪失させるとともに、血液は濃宿され、血液粘度を上げます。これらの変化も運動能力に影響します。

line

疲労回復のスピードを早めるには?
1) “蓄積された疲労物質を代謝・排出する”
血行をよくすると、疲労物質の代謝・排出が速くなります。“ゆっくりとぬるめの湯につかる”“マッサージをする”などです。お風呂で緊張をときほぐすと、食事もおいしく、進みますよね。

2)

“消費した体内物質を補充する”

◎グリコーゲンの超回復〜主食をしっかり食べる
試合によって枯渇した筋肉や肝臓のグリコーゲンは、“超回復”といって、運動前にくらべてより蓄積しやすくなります。試合後は糖質たっぷりの食事(すなわち、主食中心の食事)をしたほうがよいでしょう。また、“試合当日、疲れからあまり食事が摂れなかった”という場合でも、その翌日に糖質をとれば、グリコーゲンはじゅうぶんに蓄積されるといわれています。

◎新鮮な野菜・果物でミネラルを補充
発汗や疲労物質の除去により、体液中のさまざまなミネラルが失われています。野菜や果物、海草などを多く食べます。

◎しっかり水分を補給
試合中は季節を問わず、大量の汗をかきます。これは筋活動によって発生した熱エネルギーを、水分の気化熱としてからだから奪い、できる限り体温を上げないようにする、私たち恒温動物にとっての重要な機能に由来します。のどの渇きをおぼえなくても、“なんとなく熱っぽい”というときは、水分不足を疑って、こまめに、たっぷり水分を補給しましょう。

line

試合の後の献立・ひと工夫

[おにぎりと焼肉] [手巻き寿司]
illust illust
あらかじめおにぎりを用意して、すぐつまめるように。肉と同量の焼き野菜・サラダを。濃い緑の野菜をしっかり摂りましょう。 寿司めしは食欲を増進させます。疲れて食欲がないときにおすすめ。

[サラダ風冷やし中華]
(いろいろな野菜を彩りよく並べて)
[フルーツ盛り合わせ]
(かんきつ類を中心に)
illust illust
麺類や少量の油はのどごしがよく、食欲がないときにおすすめ。麺で糖質を、野菜でミネラルを、たっぷりとることができます。 果物の甘さと、果汁に含まれるクエン酸が、疲労回復に効果的。牛乳やヨーグルトがあれば最高のデザートに!!



prev page back to top page