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06 日本型食生活とグリコーゲンローディング

#1 グリコーゲン……運動中のエネルギー源

illustグリコーゲンやグリコーゲンローディング(カーボローディング)……こんな言葉を聞いたことはありませんか?
今回は、スポーツ選手のスタミナをアップさせてくれる、グリコーゲンについて知ってみましょう。

競技力アップのカギ 〜 筋肉のグリコーゲンについて
車がガソリンを燃料として動くように、私たちもエネルギー源がないと動けません。私たちのエネルギー源は、食事によって体内に摂り入れられる“糖質・脂質・たんぱく質”です。運動するときには、とくに糖質(血中グルコース=血糖、筋グリコーゲン)や脂質(体脂肪)が主に使われ、運動の強度によって糖質や脂質の使われる割合がちがいます。
graph 血中グルコースは、筋肉をはじめとしたほとんどすべての臓器、とくに脳や神経では唯一のエネルギー源といわれています。一方、筋グリコーゲンは競技スポーツのような高強度の運動を行うとき、主要なエネルギー源となり、なくなる(=枯渇する)と運動を続けることができなくなります(疲労困憊)。

競技力向上のためには、毎日使われる筋グリコーゲンを、いかに体内に補給していくかということが重要になってきます。それでは、筋グリコーゲンになる糖質は、毎日どれくらい摂取すればいいのでしょう。

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日本型食生活の特徴 〜PFC比率〜
一般に、エネルギーになる たんぱく質(Protain) : 脂質(Fat) : 糖質(Carbohydrate) の総摂取エネルギーに対する割合を、PFC比率といいます。

以下の図は、スポーツ選手が日常的に摂ったほうがよい食事のPFC比率と、日本人・欧米人が日常的に摂っている食事のPFC比率を示しています。
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欧米人のPFC比率は、脂質の摂取割合が高く、糖質の摂取割合が低いことがわかります。一方、日本人の一般的な食事は、主食の米由来の糖質が60%近くを占め、脂質割合が低いことがわかります。

じゅうぶんな筋グリコーゲンを補給するためには、PFC比率が15%:25〜30%:55〜60%の食事を摂るとよいといわれています。“主食のごはんで味噌汁・主菜・副菜を食べる”という私たち日本人の伝統的な食事形態であれば、自然にこの比率を摂ることになります。したがって、日本型の食事は、スポーツ選手の食事としてすぐれているのです。

きちんと食事をしていますか?
最近の若い選手に目立つのが、“ごはんはそこそこ、脂っこいおかずばかり食べ、間食もファーストフードやポテトチップス”、あるいは“カロリー制限のためにごはんを食べないようにしている”など、誤った食生活を送っている人もいます。

きちんと食事をしていないと、空腹からの反動で、油脂や砂糖を多く使った間食を摂りやすくなります。この調子では脂質の摂取比率は上がり、糖質の摂取比率が下がってしまいます。“最近、疲れやすい”“あまり食べていないのに体脂肪が増えた”という人は、いま一度、自分の食生活を見なおしてみてはいかがですか?



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