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■スポーツトレーナーの世界
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3日目の授業が終了した。

“お時間を作っていただき、ありがとうございます!”
“約束だし、YOUちゃんもがんばって授業、受けていたからね”
“ありがとうございます!”

そして、インタビューの開始。

“先生は、どうしてスポーツトレーナーになったんですか?”
“高校のときに陸上をやっていてね、そのころ、柔道整復師の資格をもった接骨医の人に、いろいろとお世話になったんだ。そこで、スポーツ選手をサポートするこういう職業があることを知って、スポーツトレーナーになりたいと思ったんだ”
“それで、柔道整復師や理学療法士、鍼灸師やあんま・マッサージ指圧師とかの資格を取って、先生もスポーツトレーナーになったんですね?”
“おっ! よく勉強しているね。たしかに、人のからだを治療したりするには、それらの資格がいるんだよ。ボクは、柔道整復師の資格を取って、スポーツトレーナーになったんだけど……”
“だけど?”
“治療だけできたって、それだけではスポーツトレーナーになったとは、いえないんだよね!”

“それじゃ、どうすればスポーツトレーナーになれるんですか?”
“ボクは、選手の動きがわかって、少しでも選手の気持ちに近づけるようなスポーツトレーナーが、本物のスポーツトレーナーだと思っている。そのためには、自分で実際にスポーツを経験することが必要になってくる。スポーツを観るだけじゃなく、することもスポーツトレーナーには大切なことなんだ”
“なるほど!”
“ボクには、それが陸上だったんだ。自分が選手として得た経験が、その後、トレーナーとしてスポーツ選手を診るときに、すごく生きてきたからね。たとえば、ケガをしたときに、どんなトレーニングをしながら治したらいいのか、ケガを再発させないトレーニング方法とか、いろいろなことを選手といっしょに考えることができたからね”

“先生は、治療だけじゃなくて、トレーニング方法も、選手といっしょに考えたりしているんですか?”
“そうだね、ボクは治療的なトレーナーでもあるけど、トレーニング方法についてもアドバイスできるトレーナーでもあるんだ。両方やっているスポーツトレーナーは、日本ではあまりいないんじゃないかな……”
“ス、スゴイ! だからこそ、いろんなスポーツ選手が先生を信頼するんですね!”
“スポーツ選手も競技生活を賭けているからね。ボクもスポーツトレーナーとして、いつも真剣勝負をしているんだよ!”
“き、厳しい世界なんですね……”
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スポーツインサイド情報15
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“アスレティック・トレーナー”という資格
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通称“AT”と呼ばれている、日本体育協会認定の資格。習得条件がきびしく、スポーツトレーナーとしての経験豊かな人でも、合格率は数パーセントという超難関である。ちなみに、白木先生はATの試験官で、“マスター”と呼ばれる14人のうちの1人である。
bg
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