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■スポーツトレーナー、白木助教授
スポーツクリニックにダッシュする私。すでに、白木先生のまわりには、真剣な表情の学生たちが集まっていて、授業が開始されている。

“す、すみません、遅くなりました……”
“遅刻か……本来なら授業は受けさせないんだが、教室を突然変更したのも事実だし、今回は特別にヨシとしようか!”
“あ、ありがとうございます!
 
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白木 仁(しらき ひとし)
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1957年北海道生まれ。筑波大学助教授。高校、大学は陸上部でハードルの選手として活躍。筑波大学を卒業した後、大学院で解剖学を学びながら、専門学校で柔道整復師の資格を取得。その後、スポーツトレーナーとして活動しはじめ、読売巨人軍の工藤 公康投手のトレーナーを10年以上務めている。また、長野オリンピックでは、スピードスケートの日本代表ヘッドトレーナーとして、清水 宏保選手の金メダル獲得などに貢献。シドニーオリンピックでは、シンクロナイズドスイミングの日本代表トレーナーに転じ、団体の銀メダル獲得にもたずさわることになる。そのほか、プロゴルファーの片山 晋呉選手、村口 史子選手のトレーナーとして、現在も第一線で活躍している。

手際よく、マッサージとテーピングの基本を私たちに教えてくれる白木先生。その姿に、心地よい緊張感を感じながら、1日目の特別集中講座の時間が過ぎていく。

“明日もここで授業するから、まちがえないようにな!”

授業終了と同時に、白木先生に駆けよる私。

“白木先生! 私、スポーツキャスターになりたくって、スポーツの舞台裏を支える人たちを取材してるんです。それで、選手を支えるスポーツトレーナーに興味をもっていて、先生にお話をおうかがいしたいのですが……”
“さっき遅れてきた子だな。うーん、どうするかな?”
“今朝はほんとうに申し訳ありませんでした。明日からは絶対に遅れませんから、なんとかお願いします!”
“よし、わかった! 残りの2日間の授業を、遅刻なしでちゃんと受けることができたら、最後の授業の後に、ちょっと時間を取ることにしようか!”
“わかりました! 私、がんばります!”
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スポーツインサイド情報14
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スポーツトレーナーの治療法
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スポーツトレーナーの治療法の中心は、マッサージとテーピング。この2つの技術以外にも、器具を使って、患部を暖めたり冷やしたりする治療法、ストレッチを取りいれた治療法、針灸などの東洋医学的な治療法が得意なスポーツトレーナーもいる。
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