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クサフグの群れが産卵するようすは、しぶきが立ち、水音も凄い。最盛期には、渚全体が白く濁ってしまうほどの放精が行われる。地味で小さなフグなのに、産卵のときだけはとっても派手だ。
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不思議なことにクサフグは、毎年まったく同じ場所で産卵する。それもひじょうに限定されたエリアで、ほんのタタミ数枚程度に特定される。この荒井浜、千葉県の小湊、山口県の室積海岸などなどで見られる。
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産卵場所に重なり合うクサフグは、数十匹から100匹以上。波に乗った1匹のメスが砂地に乗り上げて産卵すると、後から100匹ものオスがこぞってやって来て放精する。
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浜に打ち上げられたメスの産卵。次の波に乗って海に戻るまでに終える、大騒ぎ、大忙しの産卵だ。クサフグの卵はこの後、湿気が多く、温度の一定な砂の中に沈んでいく。
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産卵は波の直接あたらない奥まった場所で、底が目の粗い砂か小砂利、満潮時には海に隠れるが、潮が少し引けば干上がる位置で行われる。そして十分な水分が得られるよう、涌き水が近くにあるのもポイントだ。
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