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海は広いが空家の貝殻は少ない。そこで、強いヤドカリは弱いヤドカリから、力ずくで貝殻を奪う。同じヤドカリ仲間でも、強者の論理がまかり通る。
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手ごろな住まいをもつヤドカリを見つけると、自分の貝殻を相手の貝殻にぶつける。立ち退きを迫る、カンカンという音が海中に響く。
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脅しの衝撃にたまりかねて、相手のヤドカリが出てきたところを襲う。この攻撃に我慢して貝殻に閉じこもっていられれば、住居強盗もあきらめるのだが……。勝負は半々のようだ。
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強奪者のヤドカリは、相手がちょっとでも顔をのぞかせたらチャンス！ 相手の脚をつかみ、貝殻から完全に引きずり出してしまう。
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相手の貝殻が空になった瞬間、すばやく乗っ取りが完了。あとには裸同然の弱いヤドカリが残される。
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殻を奪われたヤドカリのほうは、仕方なく残された貝殻に。この殻がからだに合おうが合うまいが、弱いヤドカリにはそれしか選択肢がない。仮の宿りとはいえ、しばしの不都合を我慢しなくてはならない。
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