Thinking about Marine Environment!


02 海の悲鳴:私たちが与えたもの



02. 頻発する赤潮の発生

工場や生活排水による水質の悪化(富栄養)が原因の赤潮。
近年では、工業化が進む南半球でも多発しています。


赤潮とは、栄養塩と呼ばれる窒素、リン、ケイ素が、海中で増加することにより、プランクトンが急速に増殖し、海の色を一面、赤、褐色、黒色などに変化させる現象です。

赤潮は昔から見られた現象ですが、30年ほど前から、工業地帯や、その周辺の人口集中地域に面する海面で、頻発するようになりました。工場や生活排水による水質の悪化(富栄養)が原因です。また、瀬戸内海などのハマチ養殖場の周辺でも、養殖による水質悪化が原因で、赤潮が起きるようになりました。赤潮は有毒プランクトンの発生により、養殖施設などに多大な被害を与えます。

近年、先進国では排水、養殖場の管理が改善され赤潮被害は減少していますが、工業化が進む南半球に、有毒プランクトンが広がり、汚染された貝類による中毒患者数が増えています。


世界の赤潮発生水域(日本を除く)

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注:“赤潮発生海域”には有毒プランクトンによる貝類の毒化水域を含む
資料:国際赤潮シンポジウム(1987年11月、於高松市)において作成された資料による


[出典]『地球環境キーワード事典』