社会的責任への言及が、以前にもまして前面に。
3部構成の第2部は、[人々とソニー]。ソニーの社会的な側面を打ち出したページです。顧客、社員、調達先、地域のコミュニティ……ソニーが企業活動をおこなううえで接する、それぞれの立場のステークホルダー(利害関係者)に対しての取り組みに関する部分です。

[人々とソニー]というくくり方は前年同様ですが、前年度が9ページに対して、今年度は18ページを割いているところも、大きな変化です。また、前年度は環境関連の項目が先で、その次が[人々〜]でしたが、今年度は、逆になっています。

最初は、[お客様と]と題した、カスタマーサティスファクション(CS=顧客満足)と品質向上についての項目です。(お客様から)最も信頼されるパートナーであらんとする“ソニーCS憲章”を掲げると同時に、現在は2002年2月からスタートした全社プロジェクト“CS21キャンペーン”の活動中とのこと。

“顧客サービス”という言葉は、どの企業においても、重要なものという位置づけにはなっているでしょうが、具体的な行動がどこまで行なわれているのかについて、外部からはいまひとつわかりにくいのも事実です。ここでは、理念をうたうだけに終わらず、[全世界の修理ネットワーク][製品・サービスの安全性]などから、[個人情報管理]といったことまでを項目として取り上げ、それぞれへの取り組みが記されています。


製品の“使いやすさ”を追求するだけではなく、発信する情報の“利用しやすさ”も、顧客満足度向上への取り組みの一環。視覚に障害がある方が製品情報にすぐにアクセスできる[聞くカタログCD版](年3回発行)。
[社員と]という項にも、6ページが割かれています。社員に対しては、これまでも行なってきた、雇用・労働環境の整備についての取り組みを一歩すすめたかたちの“ソニーグループ行動規範”を、2003年5月に制定。雇用や昇進にあたって、人種や宗教、出身国、年齢、性別などで差別することなく、多様性への理解を訴えるものとなっています。この他、安全衛生面での配慮や、教育や研修制度などについて、細かく記されています。

コミュニティとの接し方についても同様で、ソニーグループの活動が、グローバルなものになるにしたがい、地域ごとの社会状況や文化的・歴史的な背景に配慮した取り組みが求められます。これに対しては、細やかな配慮が行なわれている様子で、ひと言で“社会貢献”といっても、そこには多種多様な手法があるということがわかります。



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