訪問・その19 未利用の水エネルギーを活かすマイクロ水力発電……東京発電株式会社
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■一般家庭140軒分の電力を供給できる「発電所」

下から手招きする大池さんに導かれ、鉄梯子をおりると、家1軒分ぐらいのコンクリートの部屋の中には、直径80cmほどの太い水道管があります。その水道管の中ほどに、管をバイパスするように設置されているのが「マイクロ水力発電」の発電機です。部屋のなかは、清潔に保たれていますが、タービンが回る音が大きく、話すのにも一苦労。


マイクロ水力発電で発電された電力は、変電器を経て送電線で東京電力へ送られる。
左下は、川崎市の上水道管、右上のグリーンの部分が、水道管をバイパスするかたちで設置されたマイクロ水力発電のシステム。その上部、グレーの部分が発電機。
上水道管からマイクロ水力発電のバイパス管に取水し、水の流れで水車を回し、発電します。
マイクロ水力発電で発電された電力は、変電器を経て送電線で東京電力へ送られる。
マイクロ水力発電で発電された電力は、変電器を経て送電線で東京電力へ送られる。
この発電機、装置部分の大きさは、1立法メートルくらいですが、最大出力は90kW。一般家庭約140軒分の年間使用電力量[*1]を発電することができるのだそうです。水道の本管には、水の流量を調整する流量調整弁が取りつけられており、この流量調整弁の開き具合を変えることで流量を調整しています。水が弁を通過するとき、上流側(入口)と下流側(出口)で圧力の差ができます。マイクロ水力発電はこの圧力差を利用して水車を回転させ発電しているのだそうです。

汗だくになりながら地上に上がると、ふたたび静かな市民生活の場にもどります。コンクリートの部屋の中のタービン音が、うそのようです。先ほど目にした変電設備。そこから伸びる電信柱からは、東京電力につながる電線が出ています。こうして、ここで発電された電力は、東京電力に供給されるのですね。




[*1] 鷺沼発電所の計画年間発生電力量を、
一般家庭の標準的な年間消費電力量で割ったもの



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