訪問・その17 東洋インキを訪ねて解明……“大豆インキ”の謎
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■そもそも、インキはなにからできている?

Nature Net:いきなり、初歩的な質問ですが……インキって、どうやって作るのですか?

東洋インキ:まずは、インキがなにからできているのか? ということですよね。インキの原料は、簡単にいうと、“顔料”“樹脂”“溶剤”の3つ。これらを、さまざまな過程を経て、練り合わせることでインキになります。
1.  原材料の配合
1.  原材料の配合
2.  原材料の撹拌(かくはん) 3.  ロール作業
4.  充てん作業 5.  品質検査
4.  充てん作業 5.  品質検査

NN:工場の中なのに、インキのにおいは、あんまりしませんね。油性ペンのような、つ〜んと鼻をつくにおいがするのかな? と思っていたのですけど。

東洋インキ:製造過程のなかで、重要な存在が“溶剤”です。樹脂を溶かすために使われているのですが、現在使われているのは、[石油系溶剤][植物油系溶剤]の2種類です。このうち、石油系溶剤は、VOC(揮発系有機化合物)を含んでいるため、大気汚染や人体への影響が、問題となってきました。そこで、植物油を用いた溶剤が使われるようになったのです。植物の油は、石油とはちがって、いやなにおいや、人体に有害な物質を発生することはありません。


NN:樹脂を溶かすものが溶剤……石油系の溶剤に代わって登場したのが、大豆油ということですか?

東洋インキ:植物油を使用したインクは、古くからあり、印刷後の乾燥性がよい亜麻仁(あまに)油などが使われています。もちろん、溶剤として用いる際に、植物の油ならなんでもいいということではありません。そのなかで、大量生産でき、安定した供給に適しているのが“大豆油”だったのです。現在、使われているのは大豆の油がほとんどです。



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