その14 “新原料リサイクル”……帝人のめざすもの


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完全リサイクルを可能とする新原料リサイクルの技術とは
NN:従来のマテリアル・リサイクルに加え、ポリエステルを主成分とした製品を回収し、原料にもどした後、製品化する最先端の技術を開発されたそうですが……。

TJ:当社では“新原料リサイクル”と呼んでいるもので、回収したPETボトルを化学的に分解して、原料段階(モノマー)にまでもどすケミカル・リサイクルです。いま、私たちが新たに推し進めようとしているのが、この新原料リサイクルなのです。

従来のマテリアル・リサイクルは、回収されたPETに異物が混入していると、繊維にしたときに、断糸発生や色相変化などを起こしてしまいますから、あまりデザイン性などを問わないユニフォームなどには適していても、女性のブラウスなど繊細な製品への利用には向かず、用途が限られてしまいます。

一方、新原料リサイクルは、ポリエステル以外の添加物、あるいは加工剤を含むほとんどのポリエステル製品から、バージン原料と同等の高純度の原料(DMT:ジメチルテレフタレート、EG:エチレングリコール)を回収できるのです。モノマーの段階まで原料をもどしますから、その用途も繊維、フィルム、樹脂など、バージン原料と同様に展開できます。

NN:新原料リサイクルは、PETボトルのリサイクルにとって画期的な技術なんですね!

TJ:帝人が、ポリエステル繊維を生産開始したのは1958年なのですが、じつは、この直後の1962年から、生産工程で発生するポリエステル糸くずを、化学分解してポリエステル原料にもどすリサイクルを実施していました。今回の新原料リサイクルは、この技術をベースに添加剤や加工剤の分離除去技術を開発したものです。

ポリエステルは100%で使われるものではないことを前提に、ポリエステルを含有している製品ならなんでも、分離・除去してポリエステル原料を取り出すことを可能にしたのが、この技術のすぐれた点なのです。


■新原料リサイクルの特徴

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[出典]帝人ニュースリリース 2000年12月5日



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